【摂理人が書く物語】収穫の時は来た!その3

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食事が始まってからしばらく経ち…
D「いやぁ…気持ちいいな!」
E「そうだね。自然がとても多くて、心が落ち着くよ。
北海道は空気がきれいなほうだけど、ここは特に空気がおいしいよね。」
DくんとEくんは外にいました。家ではお父さんがお酒を出してから宴会の雰囲気になってて、ついていけなくなったのでこそっと抜け出したのでした。
D「F…大丈夫かなぁ?あんな雰囲気の中で…」
E「でも、お父さんにマッサージしてあげて、とても楽しそうだよ。」
Fくんはあの場所にいて、お父さんたちによくしてあげていました。親孝行ですね。
D「なぁ、さっきの話、結局何だったんだ?」
E「さっきの?…あぁ、Fと話していたことか。あれはね…」
そういってEくんは放牧している豚のことについて話していました。
D「豚がそういうことを考えている、とは思えないが…言われてみれば確かにあの豚から感じることはあったなぁ。」
E「僕にはそれが「豚の創造目的を悟った」ように感じられたんだ。まるで、満足しているかのように。」
D「俺たちも…そういう生を生きたいな。自分が死ぬときに「すべてやりきった」って笑顔で去りたいぜ。」
E「死んだとき、ね。僕は「生きているときずっと」そういう笑顔で生きたいな。」
D「鄭明析先生はずっとそういう笑顔を見せてくれてたもんな…。よーし!俺も!あと少し、頑張るぞ!
E「?」
D「さっきEが言ってただろ?「蒔いて育てて、収穫するときはあと少しするだけだ」って。
俺たちも最後にすべきことはほんのわずかな小さいことだけだから、それを頑張ろうって気付いたんだ!」
E「そうか!その通りだね。」
二人はこの収穫の時に悟った啓示を話していました。と、そこに。
F父「お、二人ともここにいたのか!突然いなくなるから心配したよ。」
Fくんのお父さんが来ました。
E「すいません、突然いなくなってしまって。
少し夜風に当たろうと思って、外に出ていました。」
D「いや~!良い風景ですね!自然がいっぱいで!」
F父「おう!ここは都会みたいにうるさくない。虫や鳥たちが鳴く以外はなんの音もないんだ。とても落ち着くよ。」
E「ええ。大学生活の疲れが癒されます。」
三人はしばし、神様が作った自然を眺めながら心を落ち着かせます。
F父「なぁ、お前たち…」
D「はい?」
F父「Fと友達になってくれて、ありがとうな。」
E「…え?」
D「どうしたんですか、突然…」
突然のお礼に、少し戸惑う二人。
F父「Fは話しているかわからないけど…あいつは昔から友達ができなかったんだ。
今でこそ楽しそうにしているけど、昔はな、いつも体型のことや家のこと、性格のことで悪口を言われ続けて、とてもつらそうだったんだ。」
E「…」
お父さんの話を真剣に聞く二人。
F父「いつも家ではいじけてて、泣いてばかりだった。あいつは優しすぎるから喧嘩もできねぇ。
いつも「仕返ししてこい!」と励ましてやってたけど、親としては内心あいつをどうにかしてやりたかった。だが、いじめてるやつの家に乗り込むこともできず、ひたすら農業ばっかで…力になれなかった。」
D「そんなことないですよ!Fがあんなに楽しそうにしてるのは…お父さんたちがいるからだと、俺は思います。」
F父「そうかい…。」
少し安心したようなお父さん。
F父「そんなあいつが、高校までずっといじけてて暗いままのあいつが…あんなに笑っている!友達を家まで連れてきて…そんなことは今までなかったんだ。連れてくる友達もいなかったからな。
あいつがああやって笑えているのは…お前さんたちに出会えたからだ。」
E「そんなことは、ありませんよ。」
D「Fはいつも楽しそうにしてるんです。確かに俺たちはFと会って友達になりましたけど、それはFが楽しそうにしているからなんです。」
E「僕たちと会った最初の頃は確かに少し消極的で、どこか自分に自信がなさそうでした。
でも、色々なことに挑戦するようになって、変わっていったんです。いつも気弱そうな顔が笑顔に変わり、ちょっと卑屈な言葉が感謝の言葉に。そんな彼を見て、僕たちもとても楽しくなるんです。」
D「だから、俺たちはFと友達になれてよかったって思っています。」
二人の言葉に…
F父「…そうかい!そうだったんだな…」
お父さんは涙を流しました。
E「!?あの…」
F父「俺はな。うれしいんだ。あいつが、そうやって変われたと聞いて…。今のあいつはとても楽しそうだ。
親として「子供が幸せに生きられる」こと以上に望むことはねぇ…。今まで苦しんでいたあいつが、幸せそうに生きていることが、本当にうれしいんだ…。」
D「お父さん…」
Dくんもつられて泣いています。
E「…」
Eくんも、涙をこらえながらその光景をしばし見守るのでした…。
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F「お父さん~!また帰ってくるね~!」
F父「おう!正月にでもまた帰ってこい!」
D「ありがとうございました!」
E「一晩お世話になりました。」
F父「いやいや、二人とも手伝ってくれてありがとうな!またいつでもおいで!」
次の日、DくんたちはF家をあとにします。
D「いや、色々気付くことが多くてよかったわ!」
E「先生も農業の話をしたら御言葉がよくわかるとおっしゃったけど、確かに農業から御言葉を感じることは多かったね。とてもいい経験だったよ。」
F「そ~ですか~!よかったです~!」
E「今度はさ…教会のみんなでお邪魔したらどうかな?合宿みたいに。」
F「それいいかもしれません~!お父さんもきっと喜ぶと思います!」
D「お父さん、Fが変わったことに相当感動していたぞ。もしかしたら、それで聖書の話をしてみても…」
F「!?そうなんですか!?」
三人はこの体験を通して収穫したこと、得たことを使って、次の計画を話し合っているようです。
とても楽しそうですね…。
収穫の秋、あなたは何を収穫しますか?
収穫とは「仕上げること」でもあります。あなたがこれまで努力したこと、頑張ってきたこと。それを結実させて自分のものにするには最後に仕上げなければなりません。その努力はそれまでしてきたことよりほんのわずかなことなんです。
今は、収穫の時。だから…
蒔いてばかりいないで刈り取りなさい

この記事を書いたブロガー

sato
「素直に、深く、面白く」がモットーの摂理男子。霊肉ともに生粋の道産子。30代になりました。目指せ数学者。数学というフィールドを中心に教育界隈で色々しています。
軽度の発達障害(ADHD・PD)&HSP傾向あり。