【摂理人が書く物語】私たち、天のアイドル「All for One」! その3~Bible Story:カインの性格~

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突然の言い争いで練習が中止になったIさん宅。
B「Iさん…」
I「どうしたの?」
Bさんは御言葉を伝えていたIさんに小声で話しかけていました。
Iさんは隣の部屋でみんなの様子を見守っていたのです。
B「あの…Gちゃんのこと、」
I「私からは何も言わないわ。」
Bさんが言おうとしていることを感じ取り、先に話すIさん。
I「もし私から言ったとしても、Gさんが聞くとは限らないから。
B、あなたが…」
B「はい。私が話してみます。ありがとうございます。」
そういって、BさんはGさんのところに戻っていきます。
それで見守るIさんは、小声で言いました。
I「皆で考え、捧げたいと思った賛美の構想。
こんな形で終わることは神様も望んではいないわ…。」
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G「…」
B「…Gちゃん。」
先ほどからずっと一言も話さないで座り込んだままのGさん。
Bさんの言葉にも反応を示しません。
G「…」
Gさんは、ショックだったのです。
自分が構想した振り付け、それによってケンカが起きてしまったこと、そして、AさんやLちゃんのことを傷つけてしまったことに…。
G「…どうしよう…。このままじゃ…みんなで賛美捧げられない。
せっかく、私もBも頑張って作ったのに…AさんもLちゃんも一緒にやりたいって言ってくれたのに…。」
B「…」
G「どうしよう…。皆のこと、傷つけちゃって…私は…。」
頭が真っ白のまま、小声で話すGさん。目からは涙が止まりません。
G「…どうして」
そして、Bさんを見ながら、問いかけます。
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A「…」
L「…」
一方、LちゃんはAさんと一緒に帰り道を歩いていました。
でも、二人とも黙ったまま。
Aさんは何を話してあげたらいいのかわからず、声をかけられなかったのです。
L「Aさん…。」
A「…どうしたの?」
沈黙が続く中、LちゃんがAさんに声をかけます。
L「私…よくないことをしてしまったのでしょうか。」
A「え?」
L「Gさんがあんなに怒るなんて…私、どうして怒らせてしまったのか、よくわかってないんです。だから、私が悪いところがあったらちゃんと謝って…皆で一緒にやりたいんですっ!」
A「そう…だよね。それはGさんもBも同じ気持ちだと思うよ。」
Lちゃんが「一緒にやりたい」と話して少し安心するAさん。
L「…Aさん。」
Lちゃんは目に涙を浮かべながら、問いかけます。
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「どうして、同じ神様を愛する人同士なのに…こんな言い争うことになるの(ですか)?」
二人の問いかけが、空間を超えて重なります。
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A「Lちゃん。
神様は私たち一人一人を「個性」で生まれるように創造なさったの。」
L「え…??」
A「私たちは、一人として「同じ人」はいないんだよ。」
L「…それは、そうですよね…??」
でも、それがいったい何の関係が…と疑問で頭がいっぱいのLちゃん。
A「だからね…同じことをしていたとしても、同じものを見たとしても、その人によって見方が変わるの。御言葉を聞いて神様を信じていたとしても、ね。」
L「あ…。」
Aさんの言葉を聞いて、何かに気付いたようです。
A「私たちは同じ御言葉を聞いて、同じく神様を信じ、愛している。けれど…その感じ方、神様との経緯、生き方は同じじゃない。LちゃんにはLちゃん、私には私、GさんにはGさん、それぞれの立っている位置が異なるの。それが個性だよ。」
L「私たちには…神様が与えてくださった「個性」があるんですね!!」
御言葉を聞くにつれて元気になるLちゃん。
A「だから、神様は「兄弟を愛しなさい」とおっしゃるの。
その人を通してしか働けない神様の御働きがあるから…。」
L「その神様の働きを私が無視したら、神様も悲しくなりますよね…。」
Lちゃんは悲しそうにそう話しました。
L「どうしたら、私はもっと兄弟を愛せるようになりますか??」
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G「個性…そうだよね。
私には私の、LちゃんにはLちゃんの個性、それぞれの見え方があるんだった。だから…その個性を生かしてあげないとだ。」
B「うん。そうしたら、一人でやるより絶対いい構想になるよ!」
G「でも、どうしたらそれを生かしつつ一つになれるんだろう…。
私が作ったものもあるし、LちゃんにはLちゃんの経験がある。だから、どちらかを生かそうとするとどちらかが生かされなくなる…ううう…頭が…!」
こっちでもBさんが個性の話をして、少しずついつもの調子を取り戻すGさん。しかし、Gさんはどうしたら「個性を生かしながら一つになれるのか」、それがわからず頭を抱えています。
B「Gちゃん、「カインの性格」って、覚えてる?」
G「B…さすがに覚えてるよ!いくら私が物覚え悪いからって…」
B「そんなことは誰も言ってないよ(笑)
Gちゃんがそんなに物覚えが悪いと思ってないし…。」
G「そ、そう…?」
B「私たちには神様がそれぞれに与えてくださった個性がある。それは私たちが神様の下で成長した時に一層出てくるようになる。だけど…私たちは神様のことを知らないで生きてきた。」
G「その間に「神様が作らなかった」はずの悪い性格ができてしまった…それが「カインの性格」だよね。」
B「うん。そのカインの性格があると、自分が神様と一つになれず、神様を愛せず、神様から離れてしまう。
それに…私たちも一つになれなくなる。
G「あ…そういうことか。
私たちが一つになれなかったのは…私の悪い性格があったから、なんだ。」
そういって、Gさんは自分を振り返ります。
G「そういえば…今日は私「一人で突っ走ってた」気がする。
ここに来た時もBのことをあまり考えず一人で決めて…。
ダンスを教えるときも、自分の作った振り付けにこだわっちゃってた。もう少し人の話を聞きながらすれば…。」
B「…うん。」
G「B…さっきはごめんね。コウモリみたいなんて言っちゃって…。
つい頭に血が上って…」
B「私は気にしてないよ。
二人の意見を聞きながら「もっと良くなる」ようにしていたつもりだけど…」
G「そうだよね!Bは別にコウモリなんかじゃなくて、一歩引いてただけだもんね。」
B「Gちゃんは…ちょっと「周りを見ないで突っ走る」癖があるよね。」
G「あー…そうですなぁ。いっつもそうだ。
私、これと決めたらとことんそれにこだわる癖があるんだよね。」
B「それは悪いとは限らないよ。
神様を愛する方に使えば、どんどん変われるし、どんなに迫害を受けても揺れなくなるから。」
G「そっか!長所と短所は紙一重だ!
だから、長所は伸ばして、短所をなくしなさいと先生がおっしゃったんだ。」
B「でも、それに「固執」してはいけない。
自分の考えに固執して、他の人の話を聞かないと…」
G「さっきみたいになっちゃうんだ…。」
Gさんは、自分の中にある「固執する」癖に気づきます。
G「よし!
B、Lちゃんに連絡できる?」
B「Lちゃんの連絡先はわからないけど、Aには連絡できるよ。というか家に帰れば会うか…。」
G「じゃあ、Aさんにメールして!」
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L「私…人が強い言葉を話すと、つい言い返しちゃうんです。
前にクラスメイトの女子にいろいろ言われた時も…」
A「確かにそうだったね。」
微笑みながらLちゃんに答えるAさん。と、そこに…。
A「あ、メールだ。Bから…
「明日も練習しようと思っていますが。Lちゃんはいつごろ空いてますか?」って…」
L「明日は部活なので…朝にちょこっとですかね…。」
A「うん。そこで練習しても…」
L「あ、その前に…ちゃんと謝りたいです!!」
A「じゃあ、そう送るね。」
Aさんがメールに返信する間、Lちゃんは心の中で決めました。
L「(神様は私のこの癖でケンカしちゃうことを悲しんでいたんだ…。
ごめんなさい…!これからは強く言われても、我慢して最後まで言い返さないようにします!!)」
A「あ、返信が来た。
「了解です。Gちゃんもまずはみんなでちゃんと話し合いたいと話していました。明日は時間もそこまでないので、話し合いだけにしましょう。」って。」
L「あ、良かった!!私もちゃんと話したいと思っていたので…。」
A「神様が、時間を与えてくださったね!」
L「はい!!」
嬉しそうに返事するLちゃん。
L「明日、楽しみにしてます!それじゃ、また明日!!」
A「うん、また明日!」
そして、Lちゃんは家に帰ります。
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B「「それでは、明日は駅前のカフェで伝えるのでそこに集合しましょう。」だって。」
G「よかった…。」
Aさんの返信にホッとするGさん。
G「「もうやめにしましょう」と言われても仕方なかったから、本当に感謝だ…!
というか、最初からみんなで話し合えばよかった…。」
B「でも、おかげで自分の直せていない短所に気付けてよかったんじゃない?」
G「そうね!神様に感謝だ!…でも、先に直していればこうはならなかったから…何だか申し訳ないな…。
神様に捧げるための練習なのに、神様が喜ばれない言い争いなんかしちゃって…。」
B「これから、私たちが一つになればいいんだよ。」
G「そうだ!よし、明日はみんなの話を聞きながら…その前に。」
B「?」
G「どうして私が人の話を聞かなかったのか、振り返ろう!そうじゃないと、また同じことしちゃうかも…。」
B「…そうだね。」
Gさんの発言に軽く驚くBさん。
B「カインの性格を直すときに無理やり押し込めるんじゃなくて、自分がどうしてそうしてしまったのかを考えて、その考えを正しくしてこそ、完全になくなる。無理やり押し込めても、自分がつらいだけ…。
いつも思うんだけど…Gちゃん、発想がセンスあるよね。」
G「褒めても…何も出ないって!!」
褒められて喜ぶGさん。
G「じゃ、私帰るね!」
B「うん。帰り道に気を付けてね。
さっき振り返るって話してたけど…それに夢中になって考えながら歩いて事故に遭わないように。」
G「…うっ!気を付けます…。B、よくわかったね…その癖。」
B「伊達に長く付き合っていませんから。」
G「本当に気を付けて帰らなきゃ…。また明日!」
B「うん、また明日。」
御言葉を聞いて、GさんとLちゃんはそれぞれの心のもやが少しずつ薄れ始めました。
明日の話し合い、二人は一つとなれるのでしょうか?そして、「アイドル風賛美」の行方はどうなるのでしょうか?
→その4

この記事を書いたブロガー

sato
「素直に、深く、面白く」がモットーの摂理男子。霊肉ともに生粋の道産子。30代になりました。目指せ数学者。数学というフィールドを中心に教育界隈で色々しています。
軽度の発達障害(ADHD・PD)&HSP傾向あり。