こんばんは、satoです。
今更なのですが、今日図書館で「日経サイエンス」の重力波観測に関する記事を読みました。
神様の神秘を感じる「重力波」の初観測―摂理のユートピアだより
こちらの記事でも取り上げられていたのですが、「よくわからない」と書いてありました(笑)
そこで、今回は(一応)理系の視点で
今回起きた重力波の観測がどれほどすごいのか
について「5つの視点」に分けて書いてみようと思います。
1.一般相対性理論の実証
アルバートアインシュタインが一般相対性理論を発表したのが1915年です。
この一般相対性理論によると、私たちが普段感じている「重力」というものは空間のゆがみであるとされています。
水の上にボールとかを置くとその部分の水が沈んで、小さいボールがそこに向かって流れていく…そんな感じのことが私たちの空間でも起きている、というのが重力の仕組みなのだそうです。
で、1916年に一般相対性理論から「重力波」というものが観測される、というのを予言したんです。
重力波、というのは質量のある物の加速運動によって起こる波のことです。先の水でいうと、水の上を突くと波が出ますよね。
それと同じことが空間にも起こっている、はずだっていう話です。
しかし、この波は相当微小で、普通の方法、たとえば自分自身が感じるとかではわからないものです。そもそも空間自体がゆがんでいるのに、どうやって感知するのか、という話でもありますが…。
今回重力波が観測されたことによって、一般相対性理論が正しいことが示されました。
これまで観測されていた現象を説明できるだけでなく、観測されていない現象を「予測」し、それが確認されたことから、一般相対性理論が実証されたというわけです。
ちなみに、重力波の予言からちょうど100年目でした。
2.ブラックホールの観測
一般相対性理論から導かれる有名なものがブラックホールです。
これは、簡単に言うと「入った光が抜け出せないくらい重力が強い天体」のことです。…私たちが入ったら間違いなくつぶれてしまいます(´・ω・`)
ちなみに、重さは最低でも太陽の10倍以上なのです。
超新星爆発後にブラックホールが起きるとされています。超新星爆発は「星の死」ともいえるので、ブラックホールは「星の死骸」とも言います。
実はこのブラックホール、今まで直接観測されたことがなかったのです。
まぁ、光も抜け出せないので観測しようがなかったのですが…。
しかし、今回重力波の動きから重力波を出したのはブラックホールが動いたからだということが分かり、ブラックホールが存在することが初めて観測によって示された、というわけです。
3.ブラックホール同士が衝突、という現象
このブラックホールがどうして動いたのか、というと…二つのブラックホールが互いの重力によって高速で動き、衝突して一つのブラックホールになったからなんですよね。
実を言いますと、これは観測した研究チームも予測していなかった現象なのです。
先ほど書いたように、重力波というのはかなり微小です。
なので、観測できるようになるくらいの重力波になるにはとても重い天体が高速で動く現象が起こらないといけないのです。
このようなもので考えられるのが
1.中性子星(太陽の1.3~3倍の大きさ)同士が互いの引力でぐるぐる回って衝突
2.中性子星がブラックホールの周りを回って衝突
3.ブラックホール同士が衝突
なのです。このうち現実的に起こりそうなのが1か2なのです。しかし、これでできる重力波を観測するためには、観測器の精度がかなり精密でないといけません。
そういうわけで研究チームも観測器の精度を上げるための整備をしていたのです。
で、それが終わってさあ観測だ、とした矢先に重力波と思われる観測結果が出たのですが、それが1か2にしては大きい。
調べてみると、なんとこれまで考えられなかった3の現象が起きていた…というわけなのです。
4.ブラックホールの質量
さらにすごいのが、このブラックホールの質量。
今までの星の成長理論によると、出てくるブラックホールは「太陽の10倍」か「太陽の100倍以上」の質量のものになるのでした。
ところが、今回観測されたのは太陽の29倍と36倍の質量のブラックホールでした。どちらも上の二つの中間にありますよね。
これによって、星の形成過程で新たなポイントを発見した、というわけなのです。
5.新たな天体の観測方法の確立
これまで天体の観測はX線や可視光線、遠赤外線によるものが主流でした。これらはいずれも電磁波の一種で、たとえばブラックホールのように光を出さなかったり、ガスによって吸収されたりして観測できなくなることがありました。
ところが、重力波は物質によって吸収されたり塞がれるということはありません。
なので、上のような現象を観測することができるようになります。これによって新たな現象が観測されたり、これまで分からなかった現象の原理が明らかにされることが期待されます。
ちなみに、日本でも重力波観測のための装置「KAGRA」が建設されています。
完成されるのは来年で、その頃には今回重力波を観測した二つの観測装置の精度もさらに向上し、より広範囲の現象を「どこで、どの距離の位置で起きたか」まで観測できるようになる、とのことです。
まとめ
というわけで。以上が今回の重力波観測がすごい5つの理由でした。
(一応日経サイエンスの記事を読んで、覚えている範囲でまとめてみたつもりですが、間違っているところがありましたら是非教えてください。また、詳細は「日経サイエンス」をご覧くださいませ…)
「一般相対性理論で予言されていたことが観測された」、「予測しない現象が観測された」、「天体観測の新たな手段が得られた」というのがポイントでしょうか。
こういう話があると、わくわくするのはやはり男子ならではなのでしょうか(笑)
ところで、今回の話を聞いて個人的に感じたことを書くと…。
今回の重力波、先ほども書いたように「空間のゆがみ」を観測するのは普通にはできません。そもそも物質を通過してしまうので、感知することすらできません。しかも、重力波は微小なものです。
しかし、こんな重力波ですらも「二つの光線の到達時間の差」によって観測できてしまうのです。そして、今回予測を超える巨大な現象によって重力波が観測されました。私にはこれが不思議でなりません。
どうして、すべての現象に対して「それが観測できる手段」が存在するのでしょうか?
どうして、微小な重力波のようなものが「観測できるくらい」の現象が起こるのでしょうか?
科学の視点で説明できるかはわかりませんが、信仰者の視点からすると…。
神様が造られた宇宙を観測することを通して神様の雄大さを悟ってほしい…と思って神様が与えられたと思われます。
今後、重力波を使って宇宙の様々な現象を観測することができるようになるでしょう。
その時には、一層神様を感じるしかない現象が発見されるかもしれません。そうなることを願い、この記事を締めたいと思います。
この記事を書いたブロガー
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「素直に、深く、面白く」がモットーの摂理男子。霊肉ともに生粋の道産子。30代になりました。目指せ数学者。数学というフィールドを中心に教育界隈で色々しています。
軽度の発達障害(ADHD・PD)&HSP傾向あり。
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