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純粋すぎる数学者!?

こんばんは、satoです。

前回までにいくつかの著名な数学者が「数学を経て信仰に至っている」ということについて書きました。
数学者は一つのことを持続的に考えることに長けている人が多く、特に「抽象的、形而上学的」な対象を考えることが苦痛になりません。
その理由の一つはやはり数学が好きだから、面白いからなのですが…それと共に「純粋さ」と「一途さ」、「情熱」を持っている人が多いです。斬新な数学を作る人がこれらを強く持つ傾向があります。
それゆえか、いろいろすごいエピソードを持った人が多いのもまた事実。
今回は「純粋すぎる数学者」の一面を書きたいと思います。

目次 非表示

ガロアの濃い20年

まず、こういう話を書く際に真っ先に出てくるのがエヴァリスト・ガロアです。
ガロアは「五次以上の方程式に解の公式がない」ということを示したことで有名です。
より正確にいうと「五次以上の方程式に解の公式が存在しない」ということを示したのはアーベルで、ガロアが示したのは「どのような方程式に解の公式が存在するのか」を判定する方法でした。
解の公式というのは「解の相互互換」から来るのですが、これを表す際に「群」の概念を作りました。
そして、この群が「可解群」であるときに解の公式を作れる、ということを示しました。
その研究の際に、群と体の相互関係について理論を作りましたが、これがガロア理論と呼ばれるものです。
現在でも重要な理論として扱われています。

さらに、群というのは「対称性」を表すために作られましたが、自然界を見ると多くの「対称性」が存在します。
それゆえ、群という概念は物理・化学など様々な分野で活用されました。数学自体でも群という概念は多くの分野で重要な要素として使われるようになりました。
また、ガロアは「有限体」も考えつきました。なので、これを「ガロア体」ということもあります。

さて、このようなガロアですが…数学以外のエピソードも相当に強烈でして。
王政復古をもくろむ教会の人によって、町長であった父親が貶められ、父親が自殺。
それがきっかけとなりガロアは共和制に熱を上げ、政治活動に没頭することになります。
また、これ以外にも学会に投稿した論文が相次いで紛失するという事故もあり、心が閉じていってしまいます。
それでも数学に対する情熱と才能は冷めず、新たな理論を作っていたのですが…度重なる政治活動のゆえに投獄、さらにコレラに罹ってしまいます。
看病してもらった看護師に恋心を持ったのですが、その人には婚約者がいて、その人と決闘した末に20歳で亡くなってしまいました。…端的に書きましたが、もっと魅力的に書けたら良かったかな(;’∀’)ガロアの話題に関しては色々な本がありますので、それを参考ください。

この看護師に恋心を…という話ですが、ある説によるとガロア自身は「恋愛」と「友愛」の区別がつかなかったり、看病してもらったことが「善意」なのか「愛」なのかの区別がつかなかったところがあったようです。
この説ではガロアは強いASDの傾向にあったようで、私自身の経験とか発達障害の人の話を聞くとなんとなく分かる気がします…(´・ω・`)
一つ私が思うのは「ガロアは純粋だった」がゆえに、ある種善意でしてもらった看病を「自分のことを想ってくれている」と感じたってことです。
たぶん、ガロアは愛を受ける経験が少なかったのではないでしょうか。それが「自分のことを想ってくれている」という看護師への考えにつながったのかなと思いました。

以上のエピソードと、独創的な数学を創り出したことからラマヌジャンと並んでカルト的人気を誇るガロア…。
かのグロタンディークもガロアに相当なシンパシーを持っていたようで、彼のことを「兄弟」と話していました。
実際、多くのエピソードで共通する場面があります。余談ですが、グロタンディーク自身もASDの傾向は強かったみたいです。

より近代でもかなりすごいエピソードを持った数学者がいますが、それはまた明日。

この記事を書いたブロガー

sato
「素直に、深く、面白く」がモットーの摂理男子。霊肉ともに生粋の道産子。30代になりました。目指せ数学者。数学というフィールドを中心に教育界隈で色々しています。
軽度の発達障害(ADHD・PD)&HSP傾向あり。
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