ここはとある会社。
「うん、今日も成約できた。これで新規契約は10件目。今月も順調だ。」
一人の青年が帰ってきました。
彼はこの会社で一番の売り上げを目指していました。そうすることで名誉と富、そして安定した生活をするために。
「うわぁ~!」
「すげぇ…」
この会社では、社内の意識を高めるために上位の業績を公表していました。
業績の張り紙を見た人たちはみな驚いています。
(お、僕の先月の業績を見て驚いているみたい。
そりゃそうだよね。新規契約15件なんて普通じゃないし。)
その光景を見ながら、内心している青年。
(でも、そんなの僕には当たり前だよ。皆が寝ている時間から、僕は働いているのだから…)
この青年は仕事の間でもうまく休憩をとり、できるだけ残業はしないようにする代わりに仕事を集中して行ない、朝早くから働いていました。彼が出勤するのは朝4時…。彼が朝の仕事を終えて健康のために運動する時に太陽が昇ります。
「トップの人、新規契約…20件だって!」
「…え?」
「いったいどうやって…!?」
「20件?僕より上だって!?」
しかし、その契約数を聞いて青年は後頭部を打たれたように衝撃を受けました。
自分の新規契約数より5件も多い…。
本当にそうなのが確かめるために、彼も業績の貼られた紙を見に来ました。
「…ホントだ。確かに20件新規を取っている。業績もこの人が一位だ…。」
何度見ても、確かに青年は2番目でした。
「おかしい…。僕は誰もいない時間から働いて、営業だって人より多く時間が取れているはず…。それなのに、どうして?」
「あ、Aだ!」
A「ただいま~!」
「A、見てみて!先月の業績トップだよ!」
A「…うわぁ!ホントだ!」
業績の貼られた紙を見て、とても喜び笑うAさん。
「A、本当にすごいよ。一体どうやってこんなに?」
A「これも、神様の助けだよ…。私だけじゃここまでできないもん。
本当に感謝です。」
そういって、神様への感謝を話すAさん。
Aさんは会社の皆に信仰を持っていることを明かしていました。
課長「ご苦労さん。」
A「あ、課長!今日も一件新規契約が成約しました!」
課長「おお!一体どこだ?」
A「K社です!」
「え!?K社!?」
Aさんが契約をとった会社の名前を聞いて、驚く周りの人たち。
「あそこ…今まで「巨額の金脈」と注目されていたけれど、どんなセールスをも突っぱねた「難攻不落の塔」として有名なのに…。」
「K社だって…?」
青年も、その会社の名前を聞いて自分のことを思いだします。
—————————-
「よし、このプランならあの社長も成約するだろう。」
青年は今まで先輩たちが取ろうとしていた契約のプランを考察し、もっともK社に良さそうなプランを立てて向かいました。
「すいません。」
K「またお前か…。」
「まぁ、そうおっしゃらずに。今日はK社にとって最高のプランをご用意しま…」
K「帰ってくれ。」
「あ、あの…話だけでも。」
K「どれ。…ふん、いつもと変わりないじゃないか。契約しない。帰れ。」
「…失礼します。」
社長の言葉に負けて、K社を去る青年。
「…なんだよ、ちょっとプランを見ただけで「変わりない」なんて!
こっちが会社にとっていいプランを立ててあげたのに…。
もう、あんな会社、こっちから願い下げだ!」
プライドに傷がついた青年は悪態をつきながら帰っていきました…。
————————–
「あんなにかたくなに契約を拒んでいたのに…。一体、どうやって…?」
自分の苦々しい経験を思い出しながら、Aさんが成約できたことに疑問を持つ青年。
果たして、AさんはどうやってK社から契約をとったのでしょうか?
————-ココからは11/1に書いた続きです!————-
A「主よ…感謝します。
今日も私がこの仕事を通して多くの人を助けられるようにしてくださり、感謝します。
神様、あなたは今日、誰を助けて差し上げたいですか?」
青年が仕事をしている午前4時、Aさんは神様にお祈りをしていました。
全ての人には等しく「霊の仕事」があり、「肉の仕事」があります。
そして、誰にでも「霊の仕事のための時間」が与えられます。それが明け方の時間です。
A「アーメン!」
その時間、Aさんはお祈りをし、御言葉を聞きました。
A「よし、今日も…。」
御言葉を聞いて元気満タンのAさん。喜びながらあるところに向かいました。
K「お、お前さんか。」
A「こんにちは!今日も差し入れ持ってきました!
これ、皆さんに!」
K「いつも悪いね。」
A「いえいえ、皆さん頑張っていらっしゃいますから…。」
AさんはK社の社長のところに差し入れを持ってきました。
そのきっかけは、営業でK社に初めて行ったときのこと。
——————回想始まり——————
K社はスマホの部品の下請けの中で一番の業績を上げている会社です。
それゆえ、多くの会社のセールスがそこと契約をしようとしていました。Aさんも営業活動の一環で来てみたのですが…。
A「…みんな、大変そう。」
そこで見たのは、現場で必死に頑張っている社員たちの姿。
社長も自ら現場に入って製品を作りながら、よりよいものを作ろうと奮闘していました。
何か、手助けになれることはないのか?
Aさんはそう考えました。そして…現場に足を運んだのです。
A「すいません!」
K「なんだ、お前。」
A「はじめまして。私○○社の営業の…」
K「なんだ、契約の話か?」
A「…皆さんが働かれているのを見て、「私も手伝いたい」って思ったんです。何か手伝えることは…」
K「ない。帰れ。」
A「あ、あの!」
社長に追い出され、会社を立ち去るAさんでしたが…。
A「…皆、汗をかいてる。たぶん作業場が暑いんだろうな…。」
Aさんは窓から作業場を見ていました。そこにいる人たちは、皆汗をかきながら作業してました。
A「でもこのままだったら脱水症状に…そうだ!」
そういって、Aさんが向かったのは、自動販売機。
K「ご苦労さん!明日は納期だからここが踏ん張りどころだ!」
「ウィッス!頑張ります!」
K「よし、じゃ…と、なんだこれ?」
社長が外に出ようとすると、そこには大量の「アクエリアス」が。
「あ、アクエリアス!ちょーど欲しいって思ってたんですよ!」
「作業中は集中しすぎて水飲むの忘れちゃいますからね…。」
K「いつも気を付けろって言ってるだろ!
…しかし、一体誰なんだ?こんなに大量に…」
—————–回想中—————
次の日。
A「おはようございます!」
K「…おう。
なぁ、昨日そこにアクエリアスが大量に置かれていたんだが…あれは…」
A「…皆さんが汗を大量にかかれていたので、思わず…。
ご迷惑でしたか?」
K「…いや。ありがたい。
皆喜んでいたよ。」
A「そうでしたか!良かったです!!」
そういって、満面の笑みを浮かべるAさん。
A「また持ってきますね!今度はご飯を作ってきます!」
——————-回想終り——————
それから、Aさんは毎日K社に行きました。
もちろん営業が忙しくて来れない日もありましたが…来るときには必ず差し入れを持ってきたり会社の周りを社長と一緒に掃除したりしていました。
その中で、AさんはK社の理念や社長の信念、社員さんの忙しさを知りました。そうやって自分のことを知ろうとしてくれているその姿を見て、いつの間にか社長も信頼をしていました。
A「Kさんをはじめとして、皆さんのおかげで私たちがこうして快適に生活をできていますから、本当に感謝です。」
K「そうかい。お前さんを見ていると、本当に製品を作った甲斐を感じるよ。」
A「そういっていただけると嬉しいです。」
今日も会社の掃除をしながら話すAさんと社長。
K「…なぁ、お前さんはどう思う?最近の社会。」
A「…どういうことでしょうか?」
K「最近の社会は、とても不安定だ。どんなに今日まで利益を上げられたとしても、明日にはつぶれてしまう…そんなことが起きちまう世の中だ。
もしここがつぶれちまったら…。たとえば明日材料が来なくなったら、明日突然下請けが来なくなったら、俺たちはくいっぱぐれだ。俺はともかく、一緒に働いてくれた社員たちが路頭に迷うのは、とてもじゃないが見てられねぇ。」
社長は、胸中にある将来への不安を話しました。
K「そう思うと…不安で夜も寝られねぇ。」
A「…そうですよね。」
Aさんも社長の心中を察して、心苦しそうにしていました。
K「なぁ、お前さんはどう思う?」
A「…確かに、今の社会は不安定だと思います。
でも、だからこそ…私たちは助け合って生きないといけないんだと、私は思っています。
それぞれの会社、それぞれのできること、それぞれの個性を…互いに認めて、生かし合えるように…。」
K「…ほぅ。」
A「私はそう思って、この仕事をしています。
この仕事を通して、Kさんのように一生懸命理念を持って働く方々を手助けしたいと考えてます。」
Aさんは真剣な眼差しで、自分の思いを語ります。
Kさんもその姿を見て、とても感心していました。
K「…この手伝いも、その一環かい?」
A「これは仕事じゃないんですけどね。「人を助けたい」って思いから思わず…」
そういって笑うAさん。
A「あ、そうだ!
実は私たちの会社、こういうことをやってて…」
と、Aさんが会社の業務を思い出し、社長に説明していました。
K「…確かに、これなら多少発注が来なくてもしばらくは大丈夫だな。」
A「これなら、皆さんも安心して製品づくりに取り組めますよね!」
満面の笑顔でそう話すAさん。
K「本当に嬉しそうだなぁ…。お前さんの笑顔には裏がない。
そういう顔をしている人の話なら、信頼してもよさそうだ。」
それにつられて、Kさんも笑みを浮かべます。
K「その契約、成約するよ。」
A「分かりました!ありがとうございます!」
K「おいおい、お礼を言うのはこっちだって…」
Aさんの言葉に、思わず笑ってしまった社長なのでした。
————————————-
「そうか…。この人は成約数や業績のことより、「この仕事で人を助けたい」って思いで働いていたのか…。」
Aさんの話を聞いた青年は、そのことに気が付きました。
「それに比べて、僕は「業績を上げて、安定した生活をしよう」と自分のことしか考えていなかった…。
僕は、この人に最初から負けていたんだ…。」
敗北感、Aさんへの嫉妬が瞬間来ますが。
「…あの人の生き方、見てて楽しそうだな。
皆も信頼してて、本当に楽しそう…」
それ以上に、自分もAさんみたいに生きたいという気持ちが強く出てきました。
「ねぇ…」
A「はい?」
「どうして君は…そうやって楽しそうに、本当に楽しそうに、働けるの?」
A「それは…」
自分の考えを捨てて、Aさんに尋ねた青年。
Aさんは青年に自分の力の源を話し始めるのでした。
契約を取るより人の信頼を得る方が先にすべきことであるように。
私たちは肉の仕事より、霊の仕事を先にしなければなりません。
全ての人には必ず「霊の時間」が与えられます。つまり、「明け方」です。
そこは「神様と会うために」使わなければなりません。もしそこで肉の仕事をしたり、寝たら、たとえ肉の仕事はうまくいったとしても、霊の仕事は必ず失敗します。
これと同じように、霊の仕事をすべき時間に肉の仕事を先にしたら、たとえ肉の仕事は成功したとしても、霊の仕事は必ず失敗します。
そして、霊の仕事を成功させた人より肉の仕事もうまくいきません。
そう、青年が「明け方に仕事をして、成約数を多くとっても心が楽しくなかった」ように。
人間は毎日<成功>もし、<失敗>もしながら生きていきます。でも、私たちは毎日成功する生を生きたい…ですよね?それなら…
まずは「神霊な霊的な仕事」だ。その次が「肉的な仕事」だ。
この記事を書いたブロガー
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「素直に、深く、面白く」がモットーの摂理男子。霊肉ともに生粋の道産子。30代になりました。目指せ数学者。数学というフィールドを中心に教育界隈で色々しています。
軽度の発達障害(ADHD・PD)&HSP傾向あり。
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