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【摂理人が書く物語】とある夏のカフェにて。その2 ~Bible Story:ペテロと魚~

←その1
B友「じゃ!また明日ね!」
B「うん、また明日。」
友達と別れ、一人カフェに残るBさん。なんとなくのんびりしたいようです。…と、そこに。
C「あ~。暑~い。
…はぁ、結局一人も繋がらなかった。やっぱ聖書読みませんか、じゃダメか…。いや、しかし興味ある人が必ずいるはず…。」
Cさんが休憩にやって来ました。
C「…疲れた。とりあえず水でも…って、あ!」
B「…あれ。」
C「やっほー!
さっきはいいカフェ教えてくれてありがと~!」
Bさんに気づいて声をかけるCさん。
B「…それなら、どうして今このカフェに来ているんですか?」
C「えっ?」
B「さっき時間にカフェに行ってたら、今このカフェには来ないと思うんですけど…。お金の使いすぎですよ?」
C「え…と、いや、その…」
Cさん、狼狽えます。実際、さっきのカフェには行かなかったのです。ずっと人に声をかけてばっかりでしたから。
C「…人にずっと声かけてばっかりだったから。行くの忘れたの。」
B「…さっきの調子で、ですか?」
C「…うん。」
正直に話すCさん。
B「それで、聞いてくれた人いましたか?」
C「いや…一人も…って、なんでそんなことを!」
B「そりゃ、そうでしょ。
いきなり出会い頭に「聖書を読みませんか?」なんて言われたら怪しさ満点じゃないですか…。」
C「…そうかな?」
B「はい。」
C「そうか~…はぁ。」
断言されて、少し落ち込むCさん。それを見て、少し笑うBさん。
B「ところで…」
C「ん?なに?」
B「さっき、「聖書を読みませんか」って話してましたけど、あの本の意味がわかるんですか?」
C「へ?どういうこと?あなた、聖書読んだことがあるの?」
B「いえ、私は読んだことないです。ただ、少し興味があるんです。」
C「えっ!?」
予想外の反応だったのか、Bさんの返答に驚くCさん。
C「あなたさっき「怪しい宗教の勧誘ですか?」って警戒してなかった!?」
B「(「怪しい」なんて一言も言ってない…。)
そりゃそうですよ。いきなり「聖書読みませんか?」じゃ、どこかの宗教の勧誘だって思います。」
C「あ、そうなの…。でも、聖書には興味がある、と。」
B「少しだけ、ですよ。
さっき友達が聖書を「物語だ、現実的でない」と話していたので、その話っぷりから…」
C「ほいほい。つまり、聖書を読んでみたいんだ。」
B「…いや、読んでみたいなんて一言も…。ただ、少し興味があるだけで。」
C「まぁ、いいや。
それはそうと、聖書は単なる物語ではないよ。ちゃんと現実に起きたことを記録している。
B「…ふうん。」
C「(こいつ、話半分に聞いているな…!)」
Bさんはちゃんと興味を持って聞いているのですが、反応が薄いのを見て「真面目に聞いてない」と思い込むCさん。当時はまだまだ早とちりする癖が強かったのです。
C「(…しかし、聖書を読んでみたいって言うなら、少し話してみるか。)」
そして、人の話を聞いていません。あくまでBさんは「興味がある」と言っているだけですが、Cさんの中では「読んでみたい」となっています。もっとも、今回の場合はそれで正しいのですが…。
B「でも、聖書には非現実的な描写が多いですよね。地球が七日でできた、とか。」
C「それにもちゃんと意味があるんだよ。聖書にはね。正しい読み方があるの。
B「正しい読み方?どういうことですか?」
C「次の聖句をひこうかな。マタイによる福音書17章24ー27節。」
マタイによる福音書17章24-27節
彼らがカペナウムにきたとき、宮の納入金を集める人たちがペテロのところにきて言った、「あなたがたの先生は宮の納 入金を納めないのか」。
ペテロは「納めておられます」と言った。そして彼が家にはいると、イエスから先に話しかけて言われた、「シモン、あなたはどう思うか。この世の王たちは税や貢をだれから取るのか。自分の子からか、それとも、ほかの人たちからか」。
ペテロが「ほかの人たちからです」と答えると、イエスは言われた、「それでは、 子は納めなくてもよいわけである。
しかし、彼らをつまずかせないために、 海に行って、つり針をたれなさい。そして最初につれた魚をとって、その口をあけると、銀貨一枚が見つかるであろう。 それをとり出して、わたしとあなたのために納めなさい」。
そうして、Cさんは「ペテロと魚」を伝えます。
それにしても…教会に来て間もないのに講義を伝えるなんて大胆ですね。実はこのあと、このことでちょっと指導者に諌められたのですが…。
しかし、神様は彼女の大胆な行いに喜び、共にされたようです…。
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B「へぇ…。」
C「どう?聖書は非現実な物語ではないってことがわかったでしょ?」
伝え終わって、感銘した様子を見せるBさん。Cさんはそれを見て「きっと感動したに違いない!」と思ったのですが…。
B「聖書って…案外人間臭いですね。」
C「…え?どういうこと?」
予想外の反応に、戸惑うCさん。
B「いや、きっと神様がどうにかしてくれるだろう、ではなくて、解決方法が全然神秘的でないと言うか。」
C「現実的、って言ってちょうだいな。そうでないと、あなたにとってなんの意味もない話になるでしょう?」
B「…意味あるんですか?」
C「あるわよ!
そうでないと、この話をわざわざ聖書に残した意味がないでしょ!」
B「いや、でしょ!って言われても…。」
少し引きぎみなBさん。それを見て、Cさんは態度を改めます。
C「あ、ごめんごめん。さすがにいきなり過ぎたよね。
聖書に書かれてある出来事には必ず意味がある。神様がそれを通して伝えたいことがあるの。でも、正しく読めないとそれがわからない。
今さらなんだけど…ペテロって知ってる?」
B「…聖ピエトロ大聖堂に像がある、とか初代ローマ法皇だ、くらいしか。」
C「彼はね。元々一漁師だったの。近くの湖で魚をとって生計を立てていた。本来だったら、歴史の名前に残るどころか、地元の人にも忘れ去られるくらい地味~な人だった。」
B「(そうなのかな…歴史には残らないと思うけど、そこまで言わなくても…。)」
C「でもね。
彼は今や世界の誰もがその名を聞かないことはないくらい有名になったの。知ってる?聖ピエトロ大聖堂にある彼の像には、今も多くの人が足を運んでいる。その像に多くの人が手を触れたから…彼の像の足ははげてしまったくらい。」
B「…へぇ。」
C「あなただって、そうでしょ?」
B「えっ?」
C「あなただって、そんなに目立つ人でないでしょ?」
B「一応、スポーツもある程度できるし、学校での成績もある程度いい、ってことでそれなりに有名でしたが。」
C「…ごめん、言い過ぎた。」
B「別に気にしてませんよ。所詮地元でちょっと有名くらいですから。」
C「そう、地元でしか名前が残らなかったくらいのあなたが…」
B「(気にしてない、とは言ったけど、その言い方はどうなのか…)」
私も、そう思います。
C「たった一つの出会いで、人生が変わることがある。
B「…へぇ。」
C「その出会いを、ペテロはつかんだ。だから、彼はその人生を大きく変えることができたの。」
B「…これも。」
C「え?」
B「この出会いも、もしかしたらそうなのかもしれませんね。
正直私は「歴史に名を残す」ことに興味ありませんが…つかんでみようかと思います。また今度、会いましょう。」
C「そう…そうね!
じゃあ、今度はいつにする!?今回の話、本当はもっと深いんだけどね…今度ちゃんと聞けたら…」
B「(ちょっと気を許したら、すぐこれ…)」
Cさん、プッシュしすぎです(笑)
まぁ、まだまだ慣れていない伝道で、しかも初めて御言葉を聞きたいというものだから興奮するのは無理ないですが…ね。
B「(でも、まぁ、いいか。)」
Bさんも、どこか楽しそうです。
→その3


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B「…でね。聖書って、思ったよりは現実的で、ちゃんと私たちの生活と関わっていたの。」
B友「ふ~ん…。」
数日後。Bさんはあの友達にCさんと話したことを話しました。
B友「それってさ…やっぱり怪しくない?」
B「そうかな…。私にはそう感じなかったんだけど。」
B友「…聖書を解釈するって人は結構多かったけど、だいたい結局は「自分の都合」に合わせてるんだよ。そこもそうなんじゃないの?」
B「その辺りも説明してくれたよ。
聖書を無理矢理に解釈すると…
B友「…自分の滅亡を招く。ペテロの第二の手紙
3章16節だよね。」
B「…覚えてるんだ、聖句。」
B友「この聖句はインパクト強かったからね~。」
B「ねぇ…よかったら、一度聞いてみない?そこで…」
B友「…うーん。やっぱり気が乗らないなぁ…。」
B「そう…。」
B友「ねぇ…。Bまで騙されちゃヤダよ。」
B「?それって…どういう…」
B友「そろそろ時間だ!もう行かないと!じゃね!」
B「あ…いっちゃった。
「聖書の意味がわからない!」って話していたから、あの話をしてみたけど…まぁ、いいかな。聞きたくなったら、もう一度話してみようっと。」
そうやってのんきに考えていたBさんでしたが…その後彼女と会うことはありませんでした…。彼女は、Bさんを避けてしまったのです。
御言葉を聞くにしても、その人の器があります。その人が御言葉を受け入れるだけの心がないと、御言葉を聞くことができないのです。
それはBさんがまだ知らなかったことですが…。
この友達も実は後に大きな変化を迎えることになるのですが、それは…また別の話。

この記事を書いたブロガー

sato
「素直に、深く、面白く」がモットーの摂理男子。霊肉ともに生粋の道産子。30代になりました。目指せ数学者。数学というフィールドを中心に教育界隈で色々しています。
軽度の発達障害(ADHD・PD)&HSP傾向あり。
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