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不思議な距離の話

こんばんは、satoです。

今週の御言葉は「考えが距離だ。考えと体が別々に生きたら、虚しく空虚だ」という主題です。
というわけで、今日は数学にまつわる距離の話についてしたいと思います。

普通の距離の話

数学でよくある距離といえば絶対値があります。これは数直線の原点からの距離を取ったものです。
たとえば、の絶対値はの絶対値はとなります。正の数の絶対値はそのまま、負の数の絶対値は符号を取る、あるいは倍するという風に計算すればいいです。(から)

この絶対値を使って、数直線上の二点a,bの距離をと定義します。これは割と馴染みがあるものだと思います。

p進距離の話

ところで、数直線上の二点に対して、上の絶対値とは別の距離を取ることができます。それが進距離と呼ばれるものです。
これがどんなものか、と言いますと…。

は素数(と自分自身以外で割れないもの)です。ここではとしましょう。
このとき、ある整数があったとしたら、で何回割れるのかによって距離が決まります。ちゃんと数式を使うと

   

となります。ただし、で割り切れない数です。ポイントはが大きくなるほどに近いということです。
たとえば、ならなのでとなります。
今の話は整数の話でしたが、有理数(分数)でも同じようなことが言えます。

   

ただし、で割り切れない数です。分母にがついていると大きくなっていきます。たとえば、とすると、

   

となります。

そして、数直線上の二つの有理数に対してを取るとき、これを進距離と言います。この距離を一言でいうと

でたくさん割れるほどとの距離が近いということです。

たとえば、なので、よりの方がよりに近いと言えるわけです。不思議な話ですよね(´・ω・`)

余談ですが、実数というのは有理数の収束する数列全体(を同じところに収束する列は同じと見たもの)として定義できます。進距離でも数列の極限について考えることができて、その極限全体を進数と言います。を素数にすると進数になります。
この進数は複素数や実数と同じようなことが出来るのですが、いろいろ性質が異なっているところがあって、とても面白い数学的対象です。

この進数の話は色々なところでされていますが、最近だと

数学ガールの秘密ノート 160回 かぎりなく、あなたのそばに(後編)

で説明されています。こちらはで話が進んでいます。

心の距離の話

ところで、こちらは有料会員になれば最後まで読めるのですが、ちょうど無料で読める部分の最後に同心円の図があります。

同様の図を私も書いてみました。 中央に行くほど、で割れる回数が多くなります。中心がです。

この図はの倍数と進距離はすべて同じである、という話を図にしたものです。
進距離を言い換えるとの倍数の集合に属しているならみな同じ距離ということです。

心の距離も似たようなことが言えるのではないでしょうか?
二人がどれくらい同じ考えを持っているのか、どれくらい心を共有できるかによって、距離が近くなったり遠くなったりします。
それはどこに住んでいるのか、とかどれくらい離れているのか、とは関係がありません。最近だとネットの力で物理的な距離は関係がなくなっています。
これって、普通の絶対値というよりは進距離に近い感じがします。

進距離はで、進距離がなのはだけです。
これはつまり、距離がということは全く同じであるということを意味します。

私たちはみな異なる考えを持っています。
だけど、一人一人が対話してお互いの考えを理解して共有するとき、その考えがだんだんと一つとなっていきます。

それは私たち人間と神様との間でも同じです。
私たちと神様は異なります。だけど、私たちが御言葉を学んで、限りなく神様の考えに近づくことができます。
そうして、一歩一歩歩んでいったときに…神様との心の距離はに収束していくのです。
また、同じ神様に近づく人同士の心の距離もまたに収束するのです。
そんな人生に、私もしていきたいです。

この記事を書いたブロガー

sato
「素直に、深く、面白く」がモットーの摂理男子。霊肉ともに生粋の道産子。30代になりました。目指せ数学者。数学というフィールドを中心に教育界隈で色々しています。
軽度の発達障害(ADHD・PD)&HSP傾向あり。
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