~♪~♪
ここはとある教会の本堂。今日はTくんが賛美の練習をしています。
いつも思うのですが、Tくんの演奏は本当にきれいです。賛美に込められた心情をよく表現できていると言いますか…。私も聞いていてとても感動します。
T「ふぅ…。
だいぶ弾いたなぁ。こんなに自由に弾いたのは久しぶりな気がする。」
と、Tくんがピアノから手を離し、少し体を伸ばして休憩しました。
とても満足そうです。
T「少しは…あの時聞いた演奏に近づいたんだろうか…。」
Tくんはしばし昔のことを回想します…。
———————————
それはTくんが教会に来たばかりの時のこと。
T「…」
Tくんはピアノの前で悩んでいました。
T「…なんだろう。確かに賛美を弾いているはずなのに…どうしてこんなに心が苦しいんだろう…。」
彼はスランプに陥っていました。
神様に捧げる賛美。神様が喜ばれる賛美を弾かなければならない。
真面目な彼は、そう考え昔から磨いてきた技術を使ってピアノを弾き続けていました。
しかし、どんなに技術を上げても常に出てくる「何か足りない」という思い。
その原因が分からないまま…彼は悩み続けていました。
T「…はぁ。」
神様に捧げる賛美として、こんな技術では足りない。
もっと技術がある人だっている。それなのに、自分がこうして賛美を捧げて、神様は受け取るのだろうか?
そんな疑念が彼を包みます。
C「やっほー!T~。」
ため息をつくTくんの前にCさんが突然現れました。
T「あれ?Cさん、どうしてここに?」
C「ちょっと神様を求めている人を探しにね!」
どうやらCさんは伝道しに来たようです。
C「で、ここに来てみたら賛美が聞こえたものだから、ちょっと賛美捧げに行くか!と思ってここに来たの。」
T「あ、聞こえていましたか…。」
C「うん、バッチリ!
しかし、どうしたの?ため息なんてついて…。」
T「いえ、ちょっと考え事を…。」
C「ふーん。」
そういいながら、突然鞄をゴソゴソするCさん。
C「T、あんたは考えすぎ!」
T「…えっ?」
C「Tは真面目だから、色々なことを考えすぎて疲れてるんだよ。
そういう時はね…。」
スマホを取り出したCさんは何やら操作をして…ある動画を出しました。
C「音楽でも聞いて、リラックスしなさい。」
それは摂理 〜主に捧げるミュージックカフェ〜の中にある「摂理 Gospel Healing BGM「Life 生 BossaNovaVersion」〜鄭明析牧師作詞の曲をインストゥルメンタルで〜」という動画。
摂理で音楽を通して神様に栄光を帰する兄弟姉妹の作品です。
その音楽を聞いた時、Tくんの心が…衝撃を受けました。
T「なんて…自由な音楽なんだろう…。」
真理が人を自由にする。
この御言葉を表すような、自由な曲調。それは、天国、理想世界に生きている喜びにあふれて。
世の中のしがらみから、自分の考えから解き放たれた喜びで飛び回るかのように。
そして、理想世界を勤しんで生きようと今日も日々労苦するけれど、それすらも喜びで。
その演奏にはよどみも迷いもなく、ただ愛と喜びだけ。
Tくんが先ほどまで考えていた「この賛美でいいんだろうか?自分の演奏がふさわしいんだろうか?」という悩みがいつの間にかなくなり、心に喜びと生きる力が湧いてきていました。
T「…」
曲が終わった時、Tくんの顔には笑顔が。
T「…すごいですね、この人の演奏。本当に生き生きしてますね。聞いていた僕まで笑顔になっちゃいました。」
C「そうでしょ?私も疲れた時はこれを聞いてから寝ることにしてる。
そしたら次の日の明け方もすっきり主に迎えられるの!」
T「…僕も、この人みたいに演奏したいです。僕の演奏は、まだ縛られています。自分の技術に…。」
C「できるよ。Tなら。」
T「…えっ?」
C「Tならできる。
でも、この人みたいにでなくていい。TにはTにしかできない演奏があるよ。それを捧げることが神様の望んでいること。」
T「…!」
Cさんの言葉を聞いて、Tくんはハッとさせられます。
C「Tが縛られているのは技術でない。
「自分の個性を認められない」その考え。そこから解き放たれたら…絶対!Tは天の願う賛美を捧げられる!」
ニッと笑いながら、断言するCさん。
その言葉に…。
T「…そうですね。そうだと思います!」
C「だと思うって…。神様のことを信じなさい!」
T「はい!」
Tくんは笑顔で答えました。
——————————
T「あれからもう4年か…。」
過去を振り返ったTくんはつぶやきました。
あれから4年。
Tくんも少しずつ自分の個性を認めながら、その心を解き放つようになりました。
それに従って、彼の音楽も以前の固かったものから流麗な、そして自由なものとなりました。過去培った技術が彼の心と賛美に込められた心情を表現する助けをして、今では立派な伴奏者になりました。
T「僕の心を解き放ってくださった神様に、そしてあの音楽に出会わせてくださった神様に感謝します。」
Tくんは神様に感謝を捧げて…一つの楽譜を取り出します。
その曲に込められた心情をもっと深く悟り、それを表現するために。
それは…聖歌隊が捧げる曲でもありました。
人の考えは見るもの、聞くものによって作られます。
この世の中にたくさん溢れている音楽。その音楽には作り手の思いと思想が込められ、聞く人の考えに影響を与えます。
その音楽が人をよくし、また人を悪くすることもあります。
もし、神様が音楽を作るならば…神様は人間を愛していらっしゃるから、その音楽には「愛と生きる力」が込められているのではないでしょうか?
そんな神様を褒めたたえるために作られた賛美にもまた、神様の愛の力、生きる力が込められています。
だから、その音楽は人を癒し、人を生かす力があるのです。
日々の生活の疲れ、人生の悩み。自分の限界。
それにぶつかって前に進む力が出ない時は…
摂理 〜主に捧げるミュージックカフェ〜に行けば、あなたを癒す音楽が待っています。
この記事を書いたブロガー
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「素直に、深く、面白く」がモットーの摂理男子。霊肉ともに生粋の道産子。30代になりました。目指せ数学者。数学というフィールドを中心に教育界隈で色々しています。
軽度の発達障害(ADHD・PD)&HSP傾向あり。
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