【摂理人が書く物語】真実は、いつもひとつ!だけど…。

G「…あ~!」
ここはとある教会…の玄関前。
Gさんが倒れています…一体何が?
G「う~ん…」
意識がもうろうとしているようです。
B「あれ…教会の前で誰かが倒れてる。」
O「本当だ。とりあえず助けてあげないと…。」
それを見たNさんとOさん、そしてBさんがGさんの下に駆け寄ります。
N「…Gさん!」
O「え、G!?
ちょっと、G!?大丈夫!?」
頬を叩きながら意識の有無を確認するOさん。
O「意識が朦朧としてるみたい。救急車を…!」
B「私が…!」
Oさんの指示に答えるBさん。
B「もしもし…はい、今道路に人が倒れていて…状態ですか?
O、Gちゃんの状態は?」
O「呼吸はしています。意識が朦朧としてて…頬を叩いても反応しません。」
N「…あの、頭にタンコブが…。」
O「ホントだ。頭にタンコブができています。」
B「呼吸はしてますが、意識不明です。あと、頭にコブが…。」
O「…もしかして、脳出血起こしているかも!?」
B「もしかして脳出血を…ちょっと待って。
それは「自分の予想」だよね?」
O「あ、はい。これは私の見た感じですけど…。」
B「「そういう自分の予測は伝えなくていいです。」って話してた。」
そう、こういう時は「客観的な状態」を伝えるのであって、自分が見て思ったことは伝えてはいけません。
病状の診断はあくまで専門家の仕事。私たちにできるのは「その人たちが正確に判断できるように真実を伝える」ことだけです。
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ピーポーピーポー…
N「Gさん…大丈夫でしょうか…」
O「呼吸はしているから命に別状はない、と話してたけど…。」
B「主よ…。」
しばし、三人はGさんの命が守られるようにお祈りしています。
N「…それにしても。」
O「?」
お祈りを終えたところで、Nさんはある疑問を口にしました。
N「…どうしてGさんは…教会の前で倒れていたのでしょうか?」
B「確かに…。」
O「何があったんだろう…。」
Gさんがどうして倒れていたのか。
三人はそのことを考えます。
O「さっきあそこに行った時、Gのカバンの中身が散らばっていたよね…。」
そう、Gさんが倒れていたそばにはGさんのカバンの中身が散らばっていました。
N「…滑って転んだ…とか?」
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O「でも、それだとこんなに盛大に中身をばら撒かないと思うよ。」
N「…そう…ですね。」
O「たぶん、ひったくりに遭ったんじゃないかな?」
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B「でも、Gちゃんのカバンは肩にかけるものだよ。
ひったくられる可能性は低いと思うけど…。」
O「たぶん、Gは教会に行くまで何か考え事をしていたんだよ。それで周りのことを気にしてなかった。
それで、ひったくりが「お、こいつは狙い目!」と思ってひったくりをしようとした。ところが、Gのカバンは実は肩掛けで、ひったくりが掴んだはいいけれど取れなかった。そのままGが後ろに引っ張られ、Gは勢いよく倒れて気絶。カバンはひったくりが手を離して中身をぶちまけて…」
Oさんが探偵になりきって推理をしています。
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B「もしかして…。」
N「?」
そんなOさんを半ば無視して、Bさんは別の可能性を考えていました。
B「Gちゃんは…後ろから誰かに襲われた!?」
N「…えっ!?」
O「ちょっと待ってください!いったい誰に…。」
B「もしかしたら…あの先輩が…」
O「いやいや、いくらなんでもそれは…」
B「でも、サタンならやりかねない。サタンが人を使って…」
O「Bさんとりあえず落ち着いて…」
R「何をしている?」
N「あ…Rさん。」
みんなが議論しているところに、Rさんがやってきました。
B「Rさん、さっきそこでGちゃんが倒れてて…もしかしたら悪人に襲われたのかもしれません!」
O「いや、待ってください!あの、Rさん。
さっきGが倒れてて…」
R「それは今聞いた。Gは?」
N「救急車で…病院へ…。」
R「そう。それならあとは病院の処置を待つだけね。」
Rさんは冷静にそう話しました。
O「え、ええ…。」
R「みんな、あとはGのために祈ること。それだけすればいい。」
B「でも…もしかしたら…」
R「B、落ち着きなさい。
Gがどうして倒れたのか、それは私たちが考えることではない。
今は私たちがすべきことをする時。」
B「…はい。」
Rさんの言葉で、みんなが自分の考えで混乱しているところから解けました。それにしても…Gさんはどうして倒れていたのでしょう?
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B「Gちゃん!」
N「大丈夫…ですか?」
数日後。Gさんはすぐに回復して教会にやってきました。
G「にゃはは…。みんなを心配させてしまったね。ごめんなさい。」
O「お~。意外と大したことなさそうで何よりだわ…。」
G「あの、Oさんはもう少し私のことを心配しても…」
O「とっても安心したよ!よかった!」
G「あ、はい…。」
Oさんの満面の笑みで、言葉が出ないGさん。
もちろん、Oさんだって本当は心配していました。あまりGさんが気にしすぎないようにちょっとふざけた言い方をしているだけです。
O「それにしても…どうして道で倒れていたの?」
G「あ…それなんですけど…。」
B「?」
G「…あの、教会のみんなには秘密にしてくださいね。恥ずかしいので…。」
本当に恥ずかしそうにそう話すGさん。
N「…わかりました。」
G「あの、私ずっと「この時代についてどうやったらもっと悟れるんだろう?」って考えていたんです。
もうずっと、そのことしか頭になくて…。そしたら「とにかく祈らなきゃ!」って感動が来て、急いで教会に行ってたんです。」
O「ほー!やはりそうか!」
G「へ?」
O「あ、いや。
Gが何か考え事をして…って思ってたから。」
B「Gちゃん…前にもその癖注意してって…」
G「そうなんだよね~…。Bが言ってくれてたのに…。」
N「それで…どうなったんですか?」
O「ひったくられた?」
B「誰かに襲われたの?」
G「いや、そのどちらでもなく…というか、なぜにそんな予想を?」
BさんとOさんの話を聞いて、ますます話しづらそうなGさん。
G「あまりに教会に行くことに夢中になって、カバンが何かに引っかかっていたみたいで…。」
O「へ?」
G「それで急に後ろに倒れて…頭をゴン!とぶつけてしまったみたいなんです。」
B「…」
N「あ…。そういえば…近くの電柱にGさんのカバンの生地が…。」
G「あー、電柱か…。そう、それに引っかかって、全力で走っていた反動で後ろに倒れちゃったんだと、思います。」
O「…」
あきれた顔のOさん。
G「はい…気をつけます。
道を歩くときには、一つの考えに没頭しないで周りに注意しながら歩きます…。」
反省したように、そう話すGさんなのでした。
一つだけを考えて行なったら、その問題を解決しますが、他のことは小さい問題から大きい問題まで起こって、苦痛を受け、事故に遭い、死ぬこともあり、大きな害を受けるようになります。
今回Gさんは大事には至りませんでしたが、人は何か一つだけを考えて事故に遭います。そうして損をしたり死んでしまうこともあります。
だから、何かをするときには一つのことだけを考えないで、それをして他のことに問題が起きないかを確認しなければなりません。
皆さんも、事故には気をつけてくださいね。最近は特に多くなっていますから…。
ところで、今回Gさんが倒れているのを見て、Bさん、Oさん、Nさんはそれぞれ「どうしてGさんが倒れているのか」を推理しました。でも、実際にGさんが倒れた理由と言うのは一つでしたよね。
このように「真実はいつもひとつ!」なんです。某少年探偵が言うように…。
しかし、それを見る人がそれぞれの位置と考えで見るから、見方が変わって異なる事実がいくつもあるように見えることが多いです。だから、何か人の話を聞いたら、それを信じる前に「本当にそれが真実なのか」確認しないと…騙されて損をしてしまいます。
というわけで。
計画したことを行なう前に、それによって他の問題が生じないか本当に確認して行ないなさい。

この記事を書いたブロガー

sato
「素直に、深く、面白く」がモットーの摂理男子。霊肉ともに生粋の道産子。30代になりました。目指せ数学者。数学というフィールドを中心に教育界隈で色々しています。
軽度の発達障害(ADHD・PD)&HSP傾向あり。