デザインに必須な『黄金比』は数学的にも面白い

美しさの裏に、数式あり。

こんばんは、satoです。

このブログも多くの記事が投稿されてきたので、ちょっとデザインを変えてみました。より見やすくなるように、かつ味が出るようにしたいのですが…模索中。そんな中、先程次の記事が。

黄金比を知ることで、デザインと絵画がもっとよくなる!-摂理の彩り

なんと、黄金比!?

最近、色々なところに『絶妙なバランス』という意味で黄金比が使われていますが、本来黄金比というのは数学の概念です。自然万物にもこの黄金比が出るのですが、これら美術視点からの話は上記ブログで書いてくださっています。

そして、最後にこのブログを紹介してくださいました。これは…

黄金比について、数学の専門家視点で語ってください!

というリクエスト!?(違)

というわけで、今日は数学の視点から『黄金比』について書きたいと思います。

結構面白いんですよ、数学的にも。

そもそも、黄金比とは

黄金比というのは次の比率です。

    \[1:frac{1+sqrt{5}}{2}\]

この右側の数字は黄金数といいますが、次の方程式の解になっています。

    \[x^2-x-1=0\]

実際に計算して確かめてみてください(≧∇≦)/

さて、この式を使うと、こんなことがわかります。

連分数展開

上の式を次のように変形します。

    \[x^2=x+1\]

xneq0なので、両辺をxで割ります。

    \[x=1+frac{1}{x}\]

この式、なんとなく対称的に見えませんか?xfrac{1}{x}1が出ていて…この時点ですでに美しさを感じます。

ここで、左辺にも右辺にもxが出ているので…右辺のxx=1+frac{1}{x}を代入します。

すると、

    \[x=1+frac{1}{1+frac{1}{x}}\]

となります。分数の中に、また分数が出てきました。xがあるので、もう一度代入。

    \[x=1+frac{1}{1+frac{1}{1+frac{1}{1+frac{1}{x}}}}\]

分数の中に分数、その中に分数…あぁ、なんて複雑な。しかし、よく見ると、x以外の数字はすべて1なのです。

これをずっと繰り返すことで、黄金数は次のような形で表されます。

    \[x=1+frac{1}{1+frac{1}{1+frac{1}{1+frac{1}{ddots}}}}\]

数を分数の分数の…という形で表すことを連分数展開といいます。

実は黄金数の連分数展開は、すべて1という、とてもシンプルなものになるのです!!!

無限に続く連分数展開の中で最もシンプルなのが、黄金数なんです。

フィボナッチ数列との関係

フィボナッチ数列とは、次のような数列です。

    \[1,1,2,3,5,8,13,21,34,ldots\]

前二つの数字を足したものが次々に出てきます。これもシンプルです。

この数列は、生物の繁殖モデルとしてよく出てきます。
一時間ごとに子を産み、一時間後に成長する生物がいるとして、その生物が何時間後にはどれくらい増えているのか、という感じです。そういうわけで、自然、とりわけ生物の中にもこの数列が出てくるのです。最初に挙げた記事に出ていますので、ここでは割愛します。(アップルのロゴをよく見ると、丸の中に数字が書かれていますがそれがフィボナッチ数列)

このフィボナッチ数列に出てくる数のを取ってみましょう。

最初はfrac{1}{1}=1、次はfrac{2}{1}=2となります。これを続けると

    \[1,2,frac{3}{2},frac{5}{3},frac{8}{5},frac{13}{8},ldots\]

となります。実はこれ、先ほどの連分数展開を一つ目の+で切る、二つ目の+で切る、三つ目の+で切る…と出てくる数字だったりします。

四番目でやってみましょう。

begin{eqnarray*}

1+frac{1}{1+frac{1}{1+frac{1}{1}}}&=&1+frac{1}{1+frac{1}{2}} \

&=&1+frac{1}{frac{3}{2}} \

&=&1+frac{2}{3} \

&=&frac{5}{3}

end{eqnarray*}

確かに出てきました!

このことから何が言えるのか、と言いますと…実は黄金数はフィボナッチ数列の比の極限として現れるのです!これが自然に黄金比の出てくる理由の一つです。

生物の成長・繁殖と関係が深いフィボナッチ数列。その比の極限が黄金数。

ちゃんと筋が通っていますよね。

数学の美と自然の美、そして神様

今回はこの二つを挙げましたが、黄金数にはこれ以外にも色々な表現方法がありますが、どれもシンプルな形です。

実は、数学にも美しさが存在します。それは…人によって様々に意見はありますが

数式がシンプルで、本質を突いている、しかも深い結果である

辺りは共通しているはず。

フィボナッチ数列も「前二つの数字を足す」というシンプルな数式でした。(ちなみに、フィボナッチ数列の漸化式の特性方程式は、実は最初に挙げた黄金数を解に持つ方程式です。)

また、連分数展開も1が並んだとても綺麗なものです。

自然もまた、シンプルでしかも美しいものです。神様が作られた生物一つ一つをじっくりと眺めてみると、本当に神秘的です。もっとも、これを感じたのは摂理に来て神様を知ってからしばらく経ったあとですが。

私はこれを偶然とは思いません。

神様が一つの法則を持って生物を造られたということを証しています。

数学と美術、そして自然に出てくる美しさ。そこには神様の存在を証する真理があります。

神の見えない性質、すなわち、神の永遠の力と神性とは、天地創造このかた、被造物において知られていて、明らかに認められるからである。したがって、彼らには弁解の余地がない。-ローマ人への手紙1章20節

 

この記事を書いたブロガー

sato
「素直に、深く、面白く」がモットーの摂理男子。霊肉ともに生粋の道産子。30代になりました。目指せ数学者。数学というフィールドを中心に教育界隈で色々しています。
軽度の発達障害(ADHD・PD)&HSP傾向あり。