計算を間違ったら、違った世界だ。~数学の証明と世界のバランス~

おはようございます、satoです。
こちらは2013年に書いた記事のリライト版になります。

今日は、数学にまつわる1つの話をしたいと思います。

まずは次の”証明”をご覧ください。

b=aとする。この時、両辺にaを足すと

    \[a+b=2a\]

となる。次に、両辺から 2b を引くと

    \[a+b-2b= 2a-2b\]

すなわち

    \[(a - b)=2(a - b)\]

である。この両辺を(a-b)で割ると1=2が成り立つ。
以上より、21に等しい。 Q.E.D

なんと21に等しいということが示せました。しかし、当然ながら12は同じではありませんよね。
ということは、どこかに間違いがあるはずです。さて、それは何でしょうか?

実はこのような1=2を示す(あるいは、0=1を示す)証明は結構色々あります。興味のある方は1=2で検索すると良いかなと思いますが、中には結構高度な数学を用いているものもあります。
これらの証明のどこに間違いがあるのかを考えて読むと、数学の力を上げる上でも役に立ちますよ。

最初の仮定に問題がなかったとしても、たった一つ間違えたことで1=2なんていうあり得ないことが起きてしまう。このように、数学における証明というのは、実は一つ一つ「成り立つ条件」があるのです。一見すると当たり前のように行なっている式変形も、実際には繊細で絶妙なバランスによって成り立っています。
ここで言う絶妙なバランス、というのは条件を厳しくしすぎると本当に一部のことにしか使えなくなり、緩めすぎると今のような矛盾が生じる、という意味です。

これと同じように、実は私たちが普段生活している世界も「絶妙なバランス」で成り立っています。
一見すると何でもできるような世界に見えますが、実は人間関係や社会生活、自然の法則等多くの要素が絶妙なバランスで共存しているのがこの世界です。
なので、この法則から少しでも外れるとうまくいかなくなります。

この辺りについて一番詳しいのは全知全能なる神様です。
だから、「神様から法則を学ぶ」というのが、実のところ一番早く、うまく生きることができるコツだったりするのです。

111:10主を恐れることは知恵のはじめである。
これを行う者はみな良き悟りを得る。
主の誉は、とこしえに、うせることはない。-詩篇111篇10節

さて、最初の”証明”の間違いは次のところです。

最初にa=bとしてるので、a-b=0となります。よって、最後の式変形は「0で割る」操作をしています。
等式変形をするときには0で割る」という操作はしてはいけないという
これが間違いです。0では割れません。
これは案外やりがちなミスなので、受験を間近にしている皆さんは気を付けてくださいね!!

この記事を書いたブロガー

sato
「素直に、深く、面白く」がモットーの摂理男子。霊肉ともに生粋の道産子。30代になりました。目指せ数学者。数学というフィールドを中心に教育界隈で色々しています。
軽度の発達障害(ADHD・PD)&HSP傾向あり。