「異端」と特異点~北海道大学数学科の研究から~

特異点、それは周りとは違うけど、図形の本質が出てくるもの。そのように…
 
こんばんは、satoです。
 
日課の数学科巡り。
今日は…北海道大学です!
 
北海道に住んでいる身として、一番身近な北大。
数学科も今まで何回も見ているので、改めて記事にする必要はないかな…と思っていました。
しかし。
 
20150727鄭明析先生の明け方の箴言

<考え>がぼやけていると、ちょうど<目>がぼやけて前が見えないのと同じで、 どんなものを見たり、聞いたりしても、正しく判断することができず、 正しく行なうことができず、善と悪をしっかり分別することができない。 鄭明析牧師の明け方の御言葉より@ Mannam & Daehwa

 
摂理の教会で伝えられたこの箴言を見て、気づいたのです。
 
「そうだ…今までたくさん見てきたけど<考え>がぼやけていると何もわからないな。数学に対する考えがはっきりしてきた今だから、もっと分かることがあるかも!」
 
そう思い、改めて北大の数学科を巡ってみることにしたのです。
 
 
北大の数学科は「特異点論」に力を入れて研究をしている人が多いです。代数、幾何、解析…どの分野にも一人はいます。特に幾何系の人が多いです。

特異点とは何か

特異点とは…微分積分を勉強したときに「微分できない点」というものがありました。尖っている点や重なっている点…これが特異点です。
 
一番簡単な例は

    \[y=|x|\]

 
絶対値関数の原点、ですかね。
グラフはこんなかんじです。
 
特異点の例1-摂理☆祝福の方程式

割と有名な絶対値関数のグラフ。原点のところがとんがっていますが、これが特異点です。

 
とんがっているでしょう?
とんがっている点は、微分ができません。だから、これは特異点なのです。
 
特異点について調べるのは実は簡単ではありません。
特異点の周りでは複雑な現象が起こって、それを解析するのが難しいのです。だから、分野によっては特異点を除いて考えることもあります。
 
では、どうしてそんな「扱いにくい」特異点を研究するのでしょうか?
それは、特異点が「その図形の本質的な部分を持っている」と考えているからです。
 
たとえば、次のグラフを見てください。
特異点の例2カスプ点-摂理☆祝福の方程式

さっきと似たような「原点のところが尖っている」グラフですが、特異点の性質を見るとその違いが出てきます。

 

    \[y^2-x^3=0\]

のグラフです。さっきの絶対値関数のグラフと結構似ているでしょう?原点だけとんがっているし、(1,1)と(-1,1)を通っているし…。
でも、この二つには決定的な違いが有ります。それを見分けるのが「特異点」となっている原点です。
それを説明すると長くなるので、ここでは省きます(笑)

特異点と異端児

「特異点」、とんがっていたり、自己交差したり…それはちょうど世の中にいる「異端児」と似ているような気がします。彼らの行動は世の中の「常識」とは異なります。だから、世の中の多くの人からは理解されず、時には悪く言われることもあります。
しかし、時が経つとその行動が常識を打ち破り、新たな世界を生み出します。一流の芸術家、セールスマン、そして研究者…彼らは皆、普通の人がしないようなことをしていたのです。
 
普通の人には理解できない「異端児」の行動。しかし、彼らには彼らの「見えている世界」があるのです。誰にも見えない、彼らだけの世界が。
そして、それが実は「世界の本質」だったりすることがあります。世の中から見たら「異端」に見えるものにこそ、案外未来の世界のひな型があるのかも…。
 
かつてクラーク博士が聖書を基に、キリスト教の思想を教え、多くの優秀な人材を輩出した北大。
しかし、そのリベラルな思想によって政府や社会から睨まれ、窮地に追いやられることもありました。
そんな「世の中の常識に囚われず、本質的な部分、真理を追い求める」姿勢が、北海道大学の特異点の研究に反映されたのかもしれません。
 
 
最後に、現在の北大総長は元数学科教授!
数学好きとしてこっそり応援したいと思います(笑)
 

この記事を書いたブロガー

sato
「素直に、深く、面白く」がモットーの摂理男子。霊肉ともに生粋の道産子。30代になりました。目指せ数学者。数学というフィールドを中心に教育界隈で色々しています。
軽度の発達障害(ADHD・PD)&HSP傾向あり。