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【摂理人が書く物語】否定の目を閉じ、天の音を奏でる。その3

【摂理人が書く物語】否定の目を閉じ、天の音を奏でる。その3

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T「ちょっと、Sさん!もう時間がないのに…」
河原をゆっくり散歩するSさんに、Tくんが焦って声を掛けます。
S「いいだろ?少し休んだ方がいい時もある。
そんなに焦ってたら、御子とも対話もできないし、練習してもうまくいかないぜ。」
T「…」
S「リバイバル講師もおっしゃってただろ?「時には外に出て、ゆっくり歩きながら神様が作られた万物を眺めて愛を感じる時間も必要だ」って。」
T「…はぁ。」
笑ってそう話すSさんに、思わずため息が出るTくん。
S「…T、今「自分が調子悪いからこんなことに…」って考えてただろ。」
T「…はい。すいません。」
S「謝る必要ねぇよっ!俺が休憩したいだけだ!」
Sさんは終始笑っています。
S「…なぁ、T。
俺たちは、どうして賛美を捧げるんだろうな。」
と、突然SさんがTくんに問いかけます。
T「それは…僕たちが神様を喜ばせるために、ですよ。」
S「お前、ホント真面目だな…。」
T「え?」
S「解答が堅過ぎだ。
本当に、そう思っているのか?」
T「もちろん、そうです。
僕は、神様の心を喜ばせたくてこの賛美を練習しているんです。」
Tくんは少しムッとしながら、そう答えます。
S「そうか。それなら…どうしてそんな楽しくなさそうなんだ?
T「…?」
S「今日のお前、楽しくなさそうだぞ。
昨日Mさんに止められる前のお前はそうでなかった。本当に賛美を捧げるのが楽しくて、足りないところを治すことが楽しくて、とにかく夢中になってた。」
T「…」
そう言われ、少し落ち込むTくん。
S「俺たちが今演奏しているのは、自分のためでも、誰のためでもない。
神様に賛美を捧げるため、そうだろ?」
T「…そうですね。」
S「それなら…もっと楽しもうぜ。
御子だって、過程の中で一緒に行ない、喜んでこそもっと嬉しい。
何一人で悩んでんだ?」
T「…!」
Sさんの言葉にはっとするTくん。
S「T。否定の目を閉じて、肯定の目を開け。
T「否定の、目ですか?」
S「自分を否定的に見るな、ってことだ。
もちろん、Mさんに言われたことは確かに正しい。だけどな。
失敗したからって、神様も俺たちも…誰もお前のこと否定したりしねぇよ。
T「そう…なんですか?本当に…」
S「少なくとも神様は…そんなに心の狭い方じゃねぇよ!
せっかく神様の為に賛美しているのに、たかが音のことで「あなたはダメだ」なんて言うなら…6千年も人間を愛せないぜ!」
笑いながら断言するSさん。
S「それに、俺たちだって神様の御言葉を聞いて、先生の精神を受けて自分を作ろうとしているんだ。
もちろん足りないときだってあるけど…人の人格を否定するなんて、先生はしたことはない。
先生はいつも足りないところも見て、受け入れてくださってたぜ。だから、俺たちもそれを目指してる。」
T「でも、自分を肯定していたら…怠慢になりそうで。」
S「足りないところを認めることは大事だ。
だが、自分の短所ばかり見て、否定的な視点だけで見て判断するな、ってことだ。
足りないところもあるけど、神様から見て出来ているところもある。そこもちゃんと見て自分を認めてやれ。」
そういって手をTくんの頭に置くSさん。
S「謙虚ってのは「自分を否定する」事じゃない。
自分の中に働かれた神様を認めて、神様が働かれた自分を認めることだ。」
T「あ…。」
TくんがSさんの言葉を聞いて、自分を振り返ります。
T「そういえば…僕はいつも自分の足りないところばかり見て、自分のことをダメだと…。
ピアノのことで誉められても、「自分にはいろいろ足りないところがあるのに、誉められていいんだろうか?」と思ってしまっていました。だから、いつも「神様がしてくださる」って話してました。」
S「…そうか。」
T「今日も、Mさんが仕事帰りで疲れているのに、自分たちばかり夢中になっていいんだろうか?だから、叱られたのではないか…そんなことも配慮できない自分が神様に賛美を捧げていいんだろうか…と気にしてました。」
S「だから音が乱れたんだな。」
笑って答えるSさん。
S「いいんだよ!俺たちは足りない!そのことを分かって、それでも自分たちを認めてくださった神様に感謝して!俺たちが生きている歴史に栄光を帰して!賛美を捧げるんだ。」
その言葉を聞いて、Tくんの心が…
T「そう…ですね!
こんなに足りない僕たちを受け入れてくれる。本当に偉大な歴史ですね!この歴史は…。」
晴れやかになりました。
S「せっかくだし…賛美を捧げるか!
歌で!」
T「僕、歌はそれほど…。」
S「大丈夫。歌がうまくなくても、神様を褒め称える心さえあれば十分だ!行くぞ!」
-神が待たれた 御旨成す歴史
今 成され行く 歴史の主人となり
永久に愛そう この歴史と使命者
思い尽くして 主の御旨 成そう-
二人の賛美が、河原に響き渡ります。
S「アルパとオメガで 歴史を成す主の~!」
T「血と汗にじむ その愛を憶え~!」
S「永久に愛そう この歴史と使命者~」
T「思い尽くして 主の御旨 成そう~!」
二人の熱い賛美に、神様の心も熱く感動していました。
Tさんの表情も、喜びに満ちていました。
私たちは「自分の出来ること」より「足りないところ」を見て判断しがちです。あるいは「足りないところ」を無視して「出来ること」だけを見る人もいます。
しかし、そのどちらも本当の自分ではありません。
足りないところ、出来るところ。短所と長所、そのどちらも本当の自分なのです。
だから、否定の目を閉じて、肯定の目を開いて見ることが本当に大切です。それは自分を見る時も、自分以外のものを見る時も同じ。
出来るところを認めてあげ、足りないところも認め、それで自分を否定するのではなく「自分は変化できる」ことを信じて。
私たちは、神様を信じて、自分の可能性を信じて、前に進んでいくのです。

この記事を書いたブロガー

sato
「素直に、深く、面白く」がモットーの摂理男子。霊肉ともに生粋の道産子。30代になりました。目指せ数学者。数学というフィールドを中心に教育界隈で色々しています。
軽度の発達障害(ADHD・PD)&HSP傾向あり。

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