【摂理人が書く物語】一人の完全な人の価値。その2

前回→その1
次の日、学校。
D「…ふぅ。主が思い出させてくださったおかげでなんとか課題間に合った~。感謝~。
さて、ポストに提出、っと。」
少し眠い目を擦りながら課題を提出するD。そこに、彼の友達が。隣には彼の彼女がいる。
友達3「よう、D!」
D「おっ、おはようさん。今日も仲が良さそうなことで。」
友達3「ヘヘッ、まぁね~。お前も彼女作ればいいのに。ルックスもいいしモテるだろ。」
D「ん、まぁな。でも、今はそんな時間ねぇなぁ。勉強にサークルに…やることが多いんだわ。」
友達3「ふ~ん、そうかい。それは忙しいことで。
でも、彼女いると一人で勉強するより楽しいぞ~。わからないところがあれば教え合うこともできるし、飽きたら話をすればいいし、な~!」
彼女「ね~!」
D「…そう言ってて、二人で話してばっかで勉強進みませんでした~ってことにならないようになっ!(笑)」
友達3「…うっせぇ!(笑)」
どうやら図星のようだ…。
友達3「しかし、最近のお前見てるとあいつ思い出すわ。
ほら、「俺は大学に出たら官僚になる」って言って遊びもせずにひたすら勉強してたやつ。あいつはいまどうしてんだろうな…。
お前も、そういうところ目指してんの?」
彼女「あ~!それとも、大学でいい成績とって就職に有利にしようとしてるんじゃない!?そうやってたくさんお金を稼いでゆくゆくは…」
D「ん~。そうでもないんだよなぁ。」
友達3「…じゃあ、お前は何をしたいの?」
D「今は自分磨き、かな。」
彼女「?」
D「自分を磨いて作りさえすれば、どんなところでも活躍できるだろ?
俺は官僚とか企業のエリートとかじゃない、もっと世界に活躍できる自分に作りたいんだっ!
だから、そのために今から自分の性格とか生活習慣とかを作ろうって思ってな。遊ぶ時間とかないんだよ~(笑)」
友達3「…おぉ。」
彼女「スケールでかっ!」
D「もちろん「彼女とか作ればもっと自分の悪いところ直せる」っていう話もあるよ。でも、どうしても俺にはそれができない。たぶん溺れちゃうからな。」
友達3「…そこまで考えて、彼女いらんっていうやつ初めて見たわ…。」
彼女「すご~い!」
友達3「しかし、前までは「彼女ほしい~」っていってたお前が…いったい何があった?」
D「それは…」
彼女「あ、次の授業始まっちゃう!行こっ!」
友達3「お、そうだな!急ぐか!
お前、次は?」
D「次は休講。少し休むわ~。昨日も夜遅かったし…。」
友達3「そうか!またな!」
彼女「ばいば~い!」
D「おぅ!じゃあな!」
二人は次の教室に向かって走る。楽しそうに笑い合いながら。
D「…「愛のために、<命の道>に行けなくなる人が一番多い」、か。
あ~、あいつも時が合えば、なぁ…。」
そんな二人を見て、どこか残念そうな顔で休憩室に行くDであった。
続き→その3

この記事を書いたブロガー

sato
「素直に、深く、面白く」がモットーの摂理男子。霊肉ともに生粋の道産子。30代になりました。目指せ数学者。数学というフィールドを中心に教育界隈で色々しています。
軽度の発達障害(ADHD・PD)&HSP傾向あり。