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大学受験の新試験制度を考える

大学受験の新試験制度を考える

おはようございます、satoです。

私は教育関係の仕事を幾つかしています。その中で最も多く接するのが中学三年生です。
中3は只今高校受験に向けて最後の追い込みの時期を迎えています。それを支えるのが私の仕事の一つですが、これもなかなかに大変です。

ところで、今回受験をする中学三年生はある大きな「変革」の真っ只中に置かれます。
それは…大学受験制度改革によって、センター試験に変わる新たな試験「大学入学共通テスト(仮)」が行なわれることです。
この試験は今までのセンター試験よりより「考える力」を見れるようにするのを目的として行なわれるようになっています。
また、元来の問題より「実生活で使われるような内容」になっています。

少し前に問題例が公開されましたが、それを見てみるとこのような特徴がありました。
・国語においては、問題内容が「契約書」だったり「行政の説明会」だったり、と実生活に出てくる内容になっている。
そして、その読解能力を問われる問題が多い。

・数学はこれまでの計算だけでなく「グラフの形」を読み取る問題だったり、「微積分の関係にある」グラフの組を見つけるなどと言ったより「本質を理解できているか」を問う問題が多い。

という感じでした。
個人的には、数学の問題は新制度の方がいいなぁと感じています。
と言いますのも、現在のセンター試験の問題は「複雑な計算」を早く解かせるという形のものが多く、数学にもっとも重要な「本質を理解する力」が見られないし、また受験対策のために勉強をするとこの「本質を理解する力」を鍛えることが出来ない(と感じる)からです。
問題自体は以前よりは難しくなくなりましたし、しっかり学校の授業を理解しようとしている生徒にはとても良いのではないか、と思います。
(その分、教える側がよりちゃんと理解していないといけなくなりますが…)

反面、ちょっと気になったのが「国語の実生活に則した内容」です。
確かにこれは実生活で使うし、それを見ることは大事なことなのですが…大学が「より専門的なことを学ぶ・研究する」機関であるなら、大学入試で「実生活に用いられること」を見るのはちょっとズレている気がすると感じたのです。
大学の研究に必要な読解力と、実生活での読解力は重なっている部分こそありますが、やや異なります。
大学の研究では「純粋な学術目的、真理探求」を目的として「その人の思想」を見るところが大きい反面、実生活においては(その人の意図を掴むことはありますが)「コミュニケーション」を目的としているところが大きいと個人的には思います。
なんでもかんでも「実生活に直結した内容」を重視するのはあまり良くないのではないかな…なんて感じます。

とはいえ、これはあくまで一個人の意見。
実際にどのようになるのかは分かりませんが、とにかく大事となるのは「本質を理解する」ことと「分かるまで考える」力となりそうです。
それをどのように鍛えるのか、それはこれからの教育に関わる人達の課題なのかなと思います。
私自身はこれを目的として教育の仕事をしていますが、実際にどのようにしたらいいのかはまだ分かっていません。まだ手探りです。
最終的には「自分で考える人たち」がこれを乗り越えられるのかな、と思っています。

この記事を書いたブロガー

sato
「素直に、深く、面白く」がモットーの摂理男子。霊肉ともに生粋の道産子。30代になりました。目指せ数学者。数学というフィールドを中心に教育界隈で色々しています。
軽度の発達障害(ADHD・PD)&HSP傾向あり。

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