logとexpから見る「拡大縮小の法則」~リー群編~

おはようございます、satoです。

摂理の御言葉「拡大縮小の法則」について数学の視点から語る企画第三弾です。
これまでは「指数と対数」の話を通して大きな数の複雑な計算(掛け算、割り算、m乗)を小さな数の簡単な計算(足し算、引き算、m倍)で行えるという話をしました。
ここで言う「大きな数」が拡大の世界、「小さい数」が縮小の世界です。
この二つのスケールを対数\logと指数\expによって行き来する、というのが指数関数・対数関数の本質、と言えるでしょう。

ここまでは高校でも習う話です。
しかし、実はこの考えはもっと広く色々なところに応用されています。
それを伝えたかったのでタイトルが「対数と指数」でなく「logとexp」になっているのです。

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リー群とリー代数

というわけで、このlogとexpが出て来る世界を紹介します。
それが「リー群」です。
リー群とは…簡単に言うと「微分可能な群」です。
群とは何かしらの対称性を表すものです。一方、微分可能というのは「局所的に平面を考える(接空間を取れる)」ということです。
このリー群というのは対称性と微分の構造が両立している、ということです。
…これ以上は説明が複雑になるので、ごめんなさい(´・ω:;.:…

ところで、このリー群には単位元がありますが、この上の接空間を取れるのですがここにはある構造が入ります。この構造をリー代数といいます。
このリー代数は他の点での接空間の構造をも反映しています。

ここで「接空間」とはリー群の「局所的」な性質です。
そして、リー代数の元は\expを介してリー群の元になります。逆に\logを用いるとリー群からリー代数の世界に移ります。
このようにして、局所的な接空間からより大きな全体の構造を見ることが出来るのでした。

この記事を書いたブロガー

sato
「素直に、深く、面白く」がモットーの摂理男子。霊肉ともに生粋の道産子。30代になりました。目指せ数学者。数学というフィールドを中心に教育界隈で色々しています。
軽度の発達障害(ADHD・PD)&HSP傾向あり。