【摂理人が書く物語】見えない雨と神様の涙。~Bible Story:洪水の裁き~前編

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ザー…。
今日は北海道にしては珍しく一日中雨。
それも、結構な土砂降りです。こういう日は会社や学校に行くのも一苦労。休日ならば大抵の人は外に出掛けず、家でじっとしているでしょう。
G「…」
Gさんも他の人と同じように、家の窓で外を眺めていました。
今日のように土砂降りだった日に聞いた、ある御言葉を思い返しながら…。
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ザー…。
O「…あの時も、こんな土砂降りだった」
創世記7章10-12節
こうして七日の後、洪水が地に起った。
それはノアの六百歳の二月十七日であって、その日に大いなる淵の源は、ことごとく破れ、天の窓が開けて、
雨は四十日四十夜、地に降り注いだ。
G「…」
土砂降りのある日、OさんはGさんにBS「洪水の裁き」を伝えていました。
O「そして、方舟の扉が閉められ…その地に洪水が起きた。
そこにいた人たちはみな洪水に飲まれて亡くなり…ただ、方舟に乗ったノアとその家族だけが救われた…」
G「…」
Gさんが何も言わずスッと手を上げました。
O「どうしたの?」
G「…私、いつもその話を聞くと思うんです。
どうして神様は洪水を起こしたんだろう、って。
O「…もう少し詳しく聞かせてくれるかな?」
G「はい。
そもそも洪水を起こさなければ、その人たちは死ぬことはなかった。
その人たちの中には…もちろん悪人が多かったのかもしれないけれど、中には善良だった人もいるはずです」
O「えぇ…」
G「悪人たちを滅ぼすのはまだわかります。
でも、それに巻き込まれて善人まで死んでしまうのは…ちょっと理不尽だな、って思うんです」
Oさんは黙ってGさんの話に耳を傾けます。
G「今でも、神様がいるのに、どうして戦争や災害に巻き込まれて善人が死んでしまうのか…本当に疑問なんです。いったい、どうして神様は戦争や災害を起こすのでしょうか?」
ひと通り話し終えて、ふぅと一息つくGさん。
それに対してOさんは答えを話すためしばし考えます。
Gさんはその間、心のなかで考えていました。
G「(悪人を滅ぼすのはわかる、って話したけど…でも、実際この聖句のように「神様が気に入らないことをする人たちを容赦なく滅ぼす神様」だったら…)」
創世記6章5-7節
主は人の悪が地にはびこり、すべてその心に思いはかることが、いつも悪い事ばかりであるのを見られた。
主は地の上に人を造ったのを悔いて、心を痛め、「わたしが創造した人を地のおもてからぬぐい去ろう。人も獣も、這うものも、空の鳥までも。わたしは、これらを造ったことを悔いる」と言われた。
G「(…正直、怖いな。)」
Gさんは少しうつむいていました。
まるで、怖い親を怖がる子供のように。
O「Gさんの疑問は、これから段々と解けていくわ。安心して」
それを見ながら、Oさんは安心させようと笑顔で話します。
O「でもね…その前に、まず一つだけ誤解を解いておかないといけない気がするの」
G「…?」
Oさんの言葉を聞いて、うつむいていたGさんが顔を上げます。
O「G、「悪人を滅ぼすのはわかります」って、話したよね。でも…
神様は、悪人を滅ぼず方ではないよ」
G「?え、でも…聖書にそう書いて…」
Oさんの言葉に戸惑うGさん。
果たして、Oさんの言葉の真意は?


O「この聖句を読んでみて」
そういって、引いたのはペテロ第二の手紙3章9節。
ペテロ第二の手紙3章9節
ある人々がおそいと思っているように、主は約束の実行をおそくしておられるのではない。ただ、ひとりも滅びることがなく、すべての者が悔改めに至ることを望み、あなたがたに対してながく忍耐しておられるのである。
O「神様はね、すべての人を生かしたいの。悪人を滅ぼしたいんじゃなくてね
G「え…?」
その言葉に戸惑うGさん。
G「でも…それだとさっきの聖句に矛盾していませんか?
神様は「この地を、そこにいる人すべてを滅ぼず」と…」
O「それじゃあ、この聖句をひこうかな。
ヨナ書3章4-10節」
ヨナ書3章4-10節
ヨナはその町にはいり、初め一日路を行きめぐって呼ばわり、「四十日を経たらニネベは滅びる」と言った。 そこでニネベの人々は神を信じ、断食をふれ、大きい者から小さい者まで荒布を着た。
このうわさがニネベの王に達すると、彼はその王座から立ち上がり、朝服を脱ぎ、荒布をまとい、灰の中に座した。 また王とその大臣の布告をもって、ニネベ中にふれさせて言った、「人も獣も牛も羊もみな、何をも味わってはならない。物を食い、水を飲んではならない。人も獣も荒布をまとい、ひたすら神に呼ばわり、おのおのその悪い道およびその手にある強暴を離れよ。あるいは神はみ心をかえ、その激しい怒りをやめて、われわれを滅ぼされないかもしれない。だれがそれを知るだろう」。
神は彼らのなすところ、その悪い道を離れたのを見られ、彼らの上に下そうと言われた災を思いかえして、これをおやめになった。
G「…長いですね」
O「そうだね。大事なのは…まず4節で神様はヨナを通して「ニネベを滅ぼす」とニネベの人たちに伝えた。
そしたら、ニネベの人たちはそれまでしていた悪なる行いを止めて、断食して許しを乞うた。そしたら…神様はそれを見て『滅ぼすことをやめた』の。もし、滅ぼすのが目的なら、許しを乞うたとしても無視して滅ぼすんじゃない?」
G「そうですね。でも…。
もしかしたら、本気で滅ぼそうと思ったけどニネベの人たちの姿を見て哀れに思って…やめたのかもしれませんよ」
O「だったら…ノアの時も、もし悪人たちが悔い改めたら滅ぼさなかったんじゃないかな?哀れに思って。
G「あ…。」
Oさんの言葉が腑に落ちたようで、心のモヤモヤが解けたGさん。
O「もう一度言うね。神様は、すべての人を滅ぼしたいんじゃないの。
すべての人を生かしたいから、裁きを行うの」
G「本当ですか?」
O「そうだよ!だって…自分が創った愛する人だもの!」
そう言って、バッと両手を上に広げるOさん。
G「あ…!」
それを見て、その愛が伝わるGさん。
O「だからね。神様は、悪人が死ぬことを願わない。
どんな悪人でも、神様はその人が死ぬのを見て…涙を流されるの
G「…?
そしたら、どうして洪水を起こしたんですか?洪水を起こさなかったら…誰も死ななかったんじゃないですか?」
Gさんの疑問はある意味、当然のことです。
それに対して、Oさんは次の御言葉を伝え始めました。

この記事を書いたブロガー

sato
「素直に、深く、面白く」がモットーの摂理男子。霊肉ともに生粋の道産子。30代になりました。目指せ数学者。数学というフィールドを中心に教育界隈で色々しています。
軽度の発達障害(ADHD・PD)&HSP傾向あり。