←その2
演劇に参加する他の人たちも集まって、演劇の練習が始まりました。
それをずっと見ているNさん。
どうやら30個論「ペテロと魚」に出てくる次の聖句を題材にしているようです。
ルカによる福音書5章1-11節
さて、群衆が神の言を聞こうとして押し寄せてきたとき、イエスはゲネサレ湖畔に立っておられたが、そこに二そうの小舟が寄せてあるのをごらんになった。漁師たちは、舟からおりて網を洗っていた。その一そうはシモンの舟であったが、イエスはそれに乗り込み、シモンに頼んで岸から少しこぎ出させ、そしてすわって、舟の中から群衆にお教えになった。話がすむと、シモンに「沖へこぎ出し、網をおろして漁をしてみなさい」と言われた。シモンは答えて言った、「先生、わたしたちは夜通し働きましたが、何も取れませんでした。しかし、お言葉ですから、網をおろしてみましょう」。そしてそのとおりにしたところ、おびただしい魚の群れがはいって、網が破れそうになった。そこで、もう一そうの舟にいた仲間に、加勢に来るよう合図をしたので、彼らがきて魚を両方の舟いっぱいに入れた。そのために、舟が沈みそうになった。これを見てシモン・ペテロは、イエスのひざもとにひれ伏して言った、「主よ、わたしから離れてください。わたしは罪深い者です」。彼も一緒にいた者たちもみな、取れた魚がおびただしいのに驚いたからである。シモンの仲間であったゼベダイの子ヤコブとヨハネも、同様であった。すると、イエスがシモンに言われた、「恐れることはない。今からあなたは人間をとる漁師になるのだ」。そこで彼らは舟を陸に引き上げ、いっさいを捨ててイエスに従った。
Oさんがペテロ、Cさんはイエス様役です。
「…はぁ。
今日はついてないな。夜通し漁をしたのに、一匹も魚が釣れないなんて…
ってか…今日の食い扶持どうすんだ。俺は、どうやって生きればいいんだ~!!」
と言いながら、繕っている網を放り出して頭を抱えるペテロ扮するOさん。と、そこに
「そこの君。」
Cさんが演じるイエス様が現れました。
「はい?あ、あなたは…」
「ちょっと船を使いたいんだが、貸してくれないかな?」
「(今それどころじゃないんだけど…俺がどうやって生きていくか考えるのにも忙しいというのに。)」
突然の依頼に困惑するペテロ。
「(…でも、まぁ困っているようだし。)いいですよ。沖まで漕げばいいですか?」
「ありがとう。助かるよ。」
しかし、いつものように、彼は困っているイエス様のために船を漕いであげたのでした。
————————————
N「(Oさん…やっぱり演技がうまい。
ペテロさんの気質が感じられて…本当に生き生きしてる…。)」
Oさんの演技を見ながら、その巧さに感動するNさん。
—————————
イエス様は船の上で観衆に向かって御言葉を伝えていました。それを聞いたペテロは感動しています。
「(…この人の御言葉、やっぱりすごい!この人なら、俺の悩みも…)
そして、彼はイエス様に声をかけます。
「あ、あの!」
「なんだい?」
「俺は、これからどうやって生きていけばいいでしょうか?」
「…沖へこぎ出し、網をおろして漁をしてみなさい。」
「先生…俺たちは夜通し働きましたけど、何も取れませんでしたよ!」
仮にも漁師としてはベテランのペテロ。
徹夜でやっても取れなかったのに、沖へ漕ぎ出せなんて…と、イエス様の言葉に困惑します。
「…しかし、お言葉ですから、網をおろしてみましょう。」
しかし、彼は素直にイエス様の言葉を受け入れました。
—————————
N「(Cさん…本当にイエス様のように感じられるなぁ。
声もはっきりしているし…御言葉を伝えるときの表情が真剣だ。)」
Cさんがみんなに御言葉を伝えることが多いこともあると思います。それに加えて、Rさんの熱血指導の賜物と言えるでしょう…。
—————————
「…俺は罪人です!
俺から離れてください!!」
ペテロはイエス様のみもとにひれ伏して、離れてくださるようにお願いしていました。
そんなペテロを見て、イエス様は優しく声をかけました。
「恐れることはない。今からあなたは…「人間をとる漁師」になるのだ。」
「人間をとる…漁師…」
イエス様の言葉に、感動するペテロ。そして…
「俺は、一生あなたについて行きます!!」
網と船と、これまで築いてきた漁師のキャリア、家庭を全て置いて、イエス様についていくのでした。
後にイエス様の一番弟子として世界に知られる、彼の人生の始まりです…。
—————————
N「あぁ…そうですよね。
ペテロがすべてを置いてイエス様に従ったように…私も…
これまでの経験や「自分ができない」って思ってた考えを捨てて…ついていかないといけませんよね。」
演劇を見ながら感動を受けるNさん。そして…
O「いや~終わった!」
C「N、見ていてどうだった?」
N「…すごく感動しました。
私も…演劇に参加してみて…いいでしょうか…?」
演劇に参加したいと、二人に話します。
C、O「えっ!?」
C「N、それは…」
O「…わかった!!」
C「!?」
O「Nがやりたいって思った時が最善の時!それ、絶対御子の感動だよー!よし、一緒に演劇やろう!!」
満面の笑みでそういうOさん。本当に嬉しそうです。
C「…じゃあ、Nはイエス様の御言葉を聞く観衆役ね。
セリフはないし演技も自由だから、少し楽だと思うよ。」
N「あ…ありがとうございます。」
C「セリフがない分、演技が大事だよ。大きくしないと何をしているのかみんながよくわからないからね。」
N「…はい!」
真剣な顔でCさんの言葉を聞くNさん。
C「それじゃあ、さっそくやってみよう。
イエス様の御言葉を聞いて感激するシーンね。」
N「…はい!」
O「それじゃ、私が見ますね。よーい、アクション!」
Cさん演じるイエス様は御言葉を船の上で御言葉を伝えています。それに反応する観衆たち。
しかし…Nさんは。
N「…あ…」
全く、動けませんでした。
O「どうしたのー!N、なんか反応してー!」
N「あ…すいません。」
O「もう一回行くよ!よーい、アクション!」
再びCさん演じるイエス様が御言葉を伝えます。Nさんも感激する演技をしようとするのですが…。
N「(…どうしよう…体が…動かない…。)」
緊張と恥ずかしさで、体が全く動きません。
O「N-!演技演技ー!」
N「あ…あの…。」
Oさんが演技するように促しますが…Nさんは…
N「…うぅ」
緊張のあまり、泣いてしまいます。
C「N!?」
O「だ、大丈夫!?」
N「…ごめん…なさい…体が…。」
C「O、いったんストップ。Nを…」
O「大丈夫!?とりあえず…」
壁の方で休ませようとNさんを連れていくOさん。
それを見守るみんな。その間、Nさんは…
N「…うぅ…」
ただ、泣くことしかできませんでした。
→その4
この記事を書いたブロガー
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「素直に、深く、面白く」がモットーの摂理男子。霊肉ともに生粋の道産子。30代になりました。目指せ数学者。数学というフィールドを中心に教育界隈で色々しています。
軽度の発達障害(ADHD・PD)&HSP傾向あり。
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