【摂理人が書く物語】一人の完全な人の価値。その4

前回→その3
教会にて。
E「お、D。テストどうだった?」
D「…ふっふっふ。バッチリだったぜ!
テストは余裕で満点だろ!」
E「ちゃんと正しい答え書いたか、確認した?」
D「いや、時間がなくてできんかった。
穴埋め問題が75問あった上に記述問題も長くてな…でも、答えは全部わかって書けたぜ!」
E「…でも、それはDの推測でしょう?」
D「いやいや、答えはちゃんと教科書を見て勉強して覚えたわい!
主にお祈りして「繰り返し確認しなさい」って言われたから、何回も確認して…」
E「いや、答えでなくて「テストがよくできたか」の方。」
D「…あ~。まぁ、確かに。」
E「ちゃんと確認してみたら?」
D「そうだな。テストが返ってきてから…。あの教授、「テストの解答ちゃんと返すから、間違ったところは良く見直しとけよ。その部分をレポートにすれば可は出す」って言ってたからな。」
E「へぇ。そういう救済措置あるんだ。珍しい…。」
D「「テストで単位取れるやつはほとんどいない」って言ってたぜ…。」
—————————–
しばらく経ったある日。
E「D、テスト返ってきたんだって。友達から聞いたよ。どうだった?」
D「…はぁぁぁ。」
落ち込んでため息をつくD。
E「…ダメだったんだ。」
D「いや、テストは通った。通ったんだが…」
と言って解答用紙を見せるD。
E「…80点。高いじゃん。」
D「そうなんだが、さ…満点取れたはずなのに…。」
E「どうして間違ったんだろう。答えの間違い?」
D「いや…答えは全部合ってた。引っ掛けもいくつかあったけど、すぐに違和感感じて正しい答え書けたよ。だがな…「解答を書く場所」が間違ってた…。」
E「(…それ、僕が話したことじゃん、って突っ込みたいけど…)
残念だったね…。やっぱり最初から「解答欄」も確認すべきだったね。」
D「量が思いのほか多かったことと「1の次は2だろ」って思い込んでいたからな…。完全に俺の推測だった。」
E「…このテスト、よくよく見ると「1」の次が「3」になって、次が「6」…。最初の30問の解答欄がシャッフルされてる。これは確かに間違えるよ…。」
D「「どんなに時間がなくても確認することが社会の基本だ」って教授が言ってたわ。
確かに最初「しっかり解答欄も確認しろよ。」とは言われていたが、完全にスルーしてた…。」
E「それはよくないね。
でも、こんなテストで80点取れるなら、むしろすごいと思うよ。」
D「まぁな。教授も「こんな点取ったやつ初めてだ!」って驚いてたぜ!」
そう言って誇らしげに笑うD。ようやく「満点を取れなかった」というダメージから回復したようだ。
D「あいつらもビックリしてたよ。」
E「あいつら?」
D「俺の友達たちのこと。」
E「彼らも君がそんな点数をとったことに驚いてたの?」
D「いや、むしろ「お前くらい勉強してたらそれくらい取るわ…」って言ってたわ。
それより「お前こんなに難しくなるってわかってて勉強してたのか!?」って驚かれたぜ…(笑)」
E「ハハハ。なるほど。」
D「そんなことないんだけどな。
鄭明析先生が御言葉で言ってたことと教授の「授業でやったことはちゃんと復習しとけよ」って言葉に素直に従っただけだ。」
Dはそう言って笑う。それを見守るように眺めるE。と、その時。
D「…生活でも」
E「えっ?」
何かを悟ったD。
D「…生活でもこれと同じくそうかもな。」
E「?どういうこと?」
D「テストで自分が正しい答えを書いたと思ってたけど、確認してなかったから正しい場所に書けなかった。このように聖三位を信じ、主のことを知っていれば救われるだろうって考えてたけど…。」
E「それは…まずいね。
ちゃんと自分が救われたかどうか、肉体が生きているときに確認しないと。」
D「…でも、テストだって結果見ないとわからなかったぜ。それと同じように、死んでから行く場所なんて…」
E「確認できるよ。」
D「そうなのか?」
E「生活でわかる。
誰を信じて生きているのか、どんな真理を信じて生きているのか、どの程度行っているのか、神様と聖霊様と御子と救い人と、ちょうどまめ柿の木によい柿の木を接ぎ木するように完全に一体になって生きているのか、罪を悔い改めて許されたのか
これらで確認できるよ。」
D「そうかっ!そうやって確認するのか…。」
E「確認してみて「自分が救われた」と確認できた人は、ちょうどスポーツの試合で勝った人が録画した試合をもう一度見るように、100%勝った!と安心できるよ。」
D「うむ…俺は…」
そういって、天を見上げるD。どうやら自分の生活を振り返って確認しているようだ。
D「…大分いいところまでいけてる気はする。」
E「そう。自分がどこまでできているのか、それをちゃんとわかるのはいいことだね。でも、それで救われたと思ってはいけない。なぜなら今は…」
D「霊が引き上げられることが今この時の救いだからなっ!」
E「そこはちゃんと覚えてたんだね。所々抜けているところがあるから心配だったけど…」
D「うるせぇやい(笑)」
E「冗談だよ…(笑)」
そういって笑い合う二人。
続き→その5

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sato
「素直に、深く、面白く」がモットーの摂理男子。霊肉ともに生粋の道産子。30代になりました。目指せ数学者。数学というフィールドを中心に教育界隈で色々しています。
軽度の発達障害(ADHD・PD)&HSP傾向あり。