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幾何学の数学史と世界史との関連性その2

幾何学の数学史と世界史との関連性その2

おはようございます、satoです。
幾何学の発展と世界史、特に人々の世界に対する認識との関連性の考察記事、第二弾です。
第一弾はこちらです。→幾何学の数学史と世界史との関連性その1

今回は後半として近代から現代に向けて、そしてこれからの幾何学について書きたいと思います。

19世紀-帝国主義、植民地支配と「多様体」

中世、コロンブスとマゼランによって「自分が住んでいる世界は球面である」ということを理解した多くの人々。
それを通して、人々はまだ見ぬ世界へどんどん進出していきます。特にアメリカはキリスト教の人々が移住し国を作りました。
そして、それぞれの国が市民革命を経て国民国家に、産業革命を経て強い国になっていきます。
そうして、特にヨーロッパ諸国とアメリカによって、多くの国を植民地として支配していきます。これが「帝国主義」で、この中で日本も開国を迫られ、不利な条約を結ばされるわけです。
このあたりが19世紀の世界史です。

この頃、数学の世界ではベルンハルト・リーマンが活躍します。彼の名前は現代数学における未解決問題の一つ「リーマン予想」として広く名前が知られています。
しかし、彼は他にも多くの分野で先駆的な研究をしていました。幾何学においては多様体の概念を発表しました。
多様体とは数学の言葉を使わないと「局所的には平らな図形」、あるいは「地図を貼り合わせてできる図形」と呼ぶことができます。
ちゃんと数学の言葉で書くと

Mを位相空間(開集合、閉集合が決められている空間)とし、\mathcal{U}=\{U\}Mの開集合の集まりでMを覆うもの(つまり、\cup_{U\in\mathcal{U}} U=Mを満たすもの)、U\in\mathcal{U}に対して、\phi_{U}: U\rightarrow U'はユークリッド空間の部分集合U'への同相写像とします。つまり、Uというのは「座標が定まる」集合です。
このとき、(M,\mathcal{U},\{\phi_U\})を位相多様体と言います。

この多様体の何が革新的ななのか、と言いますと、まず「まっすぐでない図形でも座標が定められるものがある」ということを考えたこと、そして「それぞれの場所で定めた座標が食い違わないようにする」ということです。
これによって、たとえば「ある一部分で定められた座標」を用いて計算をした結果を「別のところで定められた座標」に変換して別の場所の計算が出来るようになるのです。

各国が色々と繋がり始めている世界と、地図を貼り合わせてできる多様体。
この二つがとても似ていると感じました。

20世紀-大戦と地球規模の問題、そしてコホモロジー

20世紀に入り、それぞれの国が自国の利益を得るために領土を拡大していった結果、二度の大戦を迎えることになります。
この大戦により多くの人が死に、また今も禍根を残しています。
また、その後の経済成長によって世界は復興していきましたが、地球温暖化に代表される「地球規模の問題」が起こり始めました。

このように、19世紀に比べて「それぞれの国の利益」から「地球全体」へシフトしていきます。

一方、数学でも「局所的情報の繋ぎ合わせ」で計算するだけでなく、「全体の情報」を知るための方法が確立されました。それがコホモロジーです。
コホモロジーをちゃんと定義すると難しいのですが、端的に言えば空間全体の特徴を掴むための手段です。
その定義の仕方は色々あり、例えば「微分形式」を用いるドラームコホモロジーや「p進数」を用いるエタールコホモロジーなどがあります。
その中でも一番分かりやすいのが多様体の開集合の「つながり具合」を用いるコホモロジーです。
これは「各集合で定義できる関数がどれくらい全体に拡張できるのか」で調べます。

面白いのは、これら様々な方法で定義されたコホモロジーは皆同じような結果を生み出します。
このことからグロタンディークは「モチーフ」という「図形の核心」がある、という哲学を見出しました。
さらに、このコホモロジーの発展により、当時未解決だったヴェイユ予想などの数学の難問が次々と解かれ始めました。

このように局所から大域を考えるという流れになったのが20世紀です。

21世紀-目に見えない世界、そして…

そして、現在、21世紀。
今は10年経つだけでも大きな変化をしていく時代であると感じます。例えば、インターネットは20年前にはまったくなかったものなのに、今ではこの世界に欠かせなくなっています。
携帯にしても今やスマホが出て、どんどん世界にアクセスすることが可能になっています。
インターネットもそうですが、物理的には存在しない世界、言い換えると「見えない世界」がどんどん作られ、理解されてきました。

この時に発展する数学はどのようなものなのでしょうか?その候補となるのが望月新一教授によって作られた「宇宙際タイヒミュラー理論」です。
でも、それだけではなく、もっと多くの数学が発展していくだろう、と思います。

一つ言えるのは、その幾何学は間違いなく今の世界観を反映しているものであろう、ということです。
見える世界だけでなく「見えない世界」のことも。

この記事を書いたブロガー

sato
「素直に、深く、面白く」がモットーの摂理男子。霊肉ともに生粋の道産子。30代になりました。目指せ数学者。数学というフィールドを中心に教育界隈で色々しています。
軽度の発達障害(ADHD・PD)&HSP傾向あり。

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