【摂理人が書く物語】一人の完全な人の価値。その3

前回→その2
そんな風にみんなが遊んだり自分のしたいことをしている間、主と共にテスト勉強をしたD…。
テスト前日、教会にて。
D「いや~、あんだけ神様にお祈りして御言葉を意識しながら、主の精神でテスト勉強もたくさんしたから、余裕で通るっしょ!主よ!感謝します!」
嬉しそうに、自信ありげに神様にお祈りするD。そこに…。
E「やぁ。」
D「お、Eじゃん。どうした?」
同じ教会に通うEが話しかけてきた。
このEはDの友達で、彼が教会に来るようにした人である。
E「テスト前日なのに、余裕そうだなって思ってね。」
D「いや~!だって、いつも神様にお祈りして御言葉を意識しながら、主の精神で集中しながら計画的にテスト勉強もたくさんしたからな!」
先ほど神様にお祈りした言葉をほとんど繰り返すD。
E「…楽しそうに勉強しているね。生活の中でも主と一緒に、を意識してるから、神様もとっても喜ばれていると思うよ。」
D「ま~な!」
E「でも…最後まで油断しない方がいいよ。「推測」と「実際」は異なるからね。
特にDは「抜けている」ところがあるから、気を付けた方がいい。解答欄を間違えるとか…」
D「…なんだよ、突然真面目になって…。ん、まぁ確かに忘れっぽいところあるからなぁ…。気を付けるわ。ありがと。」
E「せっかくそこまで主にすがって、主と共にテスト勉強を毎日してるから、神様だって君にいい点を取らせてあげたいと思っているはず。だけど、それは君の責任分担があってこそなんだ。」
D「そうだな…確かにここまで一緒にテスト勉強したから、満点取って神様を喜ばせて差し上げたいぜ!」
E「そういうまっすぐなところ、君のいいところだよね。」
D「よせやいっ!照れるじゃね~か!」
DとEは仲良く談笑する。
摂理に来る前から仲が良かった二人だけど、同じ神様を愛する人となってからは、互いの心情が共有できる分、もっと親しくなった。
D「(…あれ?何に気を付けたらいいって言われてたっけ?…まぁいいや。)」
ただ、DはEから何を言われたのか忘れてしまってるけど…。
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そしてテスト本番。
教授「はい、これから試験な。持ち込み不可だから、筆記用具以外はカバンにしまえよ~。あと、学生証は出しとけよ。忘れたやついたら今のうちに事務まで…」
D「(…ふぅ。昨日Eにああ言われたから、少し緊張するぜ。あんだけ勉強したから大丈夫だと思うがなぁ…。)」
教授「じゃあ、今から解答用紙と問題用紙配るからな。
お前ら、ちゃんと確認しろよ。違う問題の解答を書いてもそれは×にするからな~。」
D「(そんな間抜けなことをするやつ、いるのかよ…。)」
教授「よし、配るぞ~。」
受講している学生たちにテストが配られる。
緊張していた学生たちは、テストの問題を見て…愕然とする。
友達1「(…はぁ!?穴埋め問題が75問だって!?)」
友達2「(しかも、記述問題も結構長い…)」
友達3「(これ…穴埋め1問1分で終わらせても満点取るのは無理だぞ!?)」
D「(うぉい!こんなに問題が多いとは思わなかったぞ!)」
驚く学生を尻目に。
教授「全員配られたな。それじゃあ、解答始めていいぞ~。90分で終わるからな。」
教授は、テストの開始を告げる。
D「(…やばっ!早くやらないと…驚いている場合でない…。
主よ…時間の剣の柄を握り、時間の奇跡を起こせるように集中させてください…。)」
焦りながら周りが解答を始める中、とっさに祈るD。
D「(よし…。落ち着いてきた。
よくよく見たら、穴埋め問題全部おれが勉強したところだ。確かに範囲は広いけど、結構基本的なことばかり。一夜漬けだったら絶対間に合わない…。主の御言葉通り「計画的に」勉強したから何とかなりそうだ…感謝…。)」
解答を進めるD。
友達1「(あれ…これなんだっけなぁ?昨日やったのに微妙に漢字が思い出せない…!)」
友達2「(あれ、これAとB、どっちだっけ?)」
友達3「(お!これは「貴社」だな!一点もらいっ!)」
周りが迷いながら解き進める中。
D「(「貴社」…と、なんか違和感が…ちょっと待て!これはひっかけだ!「貴社」じゃなくて「御社」だ…あぶねぇあぶねぇ。主の「糸一本の助け」だ…つくづく主が共にされている。)」
トラップを潜り抜けつつ順調に解き進めるD。
D「(…よし!60分で終わった!あとは…長いなこの記述問題…)」
他の人にはない時間の奇跡を起こすD、そして。
続き→その4

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sato
「素直に、深く、面白く」がモットーの摂理男子。霊肉ともに生粋の道産子。30代になりました。目指せ数学者。数学というフィールドを中心に教育界隈で色々しています。
軽度の発達障害(ADHD・PD)&HSP傾向あり。